日本全国にある空き家の数は、2018年時点で約849万戸。総務省統計局の「住宅・土地統計調査」によると、住宅の総数に占める割合は過去最高の13.6%、つまり今や7戸に1戸が空き家となっています。空き家を取得した経緯は過半数が相続ですが、今回の相談者・尚子さんも同じく親から相続した空き家の管理に頭を悩ませているようです。話を聞いてみましょう。

 


途方に暮れる実家の扱い


高知の実家で一人暮らしをしていた母親が半年前に他界し、この数ヶ月はいろいろな手続きに追われていました。それもようやくひと段落し、今は空き家となった実家をどうすべきか途方に暮れています。

3年前、父が亡くなる前後に実家についての話は出ましたが、母はまだまだ元気にしていたので、私たち姉妹はそこまで真剣に考えていませんでした。ところが1年前、母に末期の膵臓がんが見つかり、あっという間にこの世を去ってしまったのです。

私は東京、妹たちはそれぞれ大阪と神戸に嫁いでいるので、高知の実家に戻るつもりはありません。ですがあの家には思い入れもありますし、この先家族が集まれる場所がなくなるのかと思うと残しておきたい気もしていて……。

日々の生活が忙しかったこともあって実家のことは後回しにしていましたが、先日目にしたWeb記事に「空き家は維持費だけで年間20万円前後の費用がかかる」とあって焦り始めました。しかも近年空き家に関する制度がいろいろと変わっているようで、「空き家は2023年中に売るべし!」と書いてあったんです。今すぐ取りかからなきゃと思うものの、何から手をつけていいのやら。気持ちだけが急くばかりです。

実家を手放すかどうかは家族で考えるとして、ひとまずどんな選択肢があるのか教えていただけますか?

 
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