2018年に政府が行った調査によると、65歳以上の夫婦世帯の87.4%は持ち家で、多くの家庭で住宅が最大の資産になっています。ところが住宅の供給過多などの要因によって、不動産は「負動産」と呼ばれることも少なくありません。前回の記事では、空き家になってしまった実家のしまい方を紹介しましたが、今回の相談者・由紀さんは、まだご健在の両親が暮らす実家とお金について考えているようです。話を聞いてみましょう。

前回記事
7戸に1戸が空き家の時代、年間20万の維持費がかかる空き家の実家をどうする!?>>

 


老後資金の不安から解放される制度?


私が生まれ育った家は祖父母の代から住んでいた戸建で、東京の調布市にあります。資産価値はそこそこあると思いますが、私たち兄妹はすでにそれぞれ家を購入してしまったため、実家は継がないと断言しています。両親は健在なので、兄とは何となく「実家は両親が住まなくなったら売ればいいか」という程度にしか話していません。

両親は2人揃って昨年75歳の誕生日を迎え、後期高齢者と呼ばれる世代に突入しました。老後のための貯蓄はある程度してきたようですが、歳を重ねても思いのほか元気なこともあり、最近は冗談半分で「このままだと命の前に老後資金が底をついちゃうかもね。そうなったらあなたたちよろしく(笑)」と言うようになったのです。

親の預貯金額は具体的に知りませんし、親が本気で頼ってくるとも思えませんが、この先何があるかは分かりません。親の介護資金について不安がないかと言われると、未知すぎてわからない、としか言えない状態で……。

地元の友人たちとも実家をどうするかという話は頻繁にするようになりましたが、先日仲間の1人が「親が実家を担保にリバースモーゲージという制度でお金を借りて、老後資金の不安から解放された」と言うのです。どうやら、自宅を売ったことにして先にお金を手にするような仕組みらしく。

聞き慣れない言葉だったので少し調べてみましたが、どの説明も難しくて。両親に勧めてマッチする制度なのか、簡単に教えていただけますか?
 

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リバースモーゲージが向いている人って?
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