閉経後のおまたのかゆみの原因は「GSM」かも
お股のかゆみは他人ごとではありません。
女性ホルモンが低下してお股にかゆみを生じるのは「GSM(閉経関連尿路生殖器症候群)」という病気によるもの。A子さんはストレス過多な生活による女性ホルモンの乱れが疑われるケースですが、閉経後に女性ホルモンが減少することはすべての女性に起こることです。実際、50歳以上の2人に1人はGSMの症状に悩んでいると言われています。
GSMの主な症状は3つ
・フェムゾーンの不快感(ムズムズ・かゆみ・痛み)
・尿のトラブル(頻尿・尿もれ・再発性膀胱炎)
・セックスのトラブル(痛み・出血)
GSMは、閉経後3年ほど経つと発症し、じわりじわりと進行していきます。
「閉経後は多くの方がGSMにかかりますが、本人に自覚症状がないケースもあり、その場合は特に問題ありません。不快感が強く、日常生活に支障が出る場合は早めに受診してください。
GMSと診断がつけば女性ホルモン低下が原因というのが明らかなので、女性ホルモン補充が有効です。膣剤、オイル、漢方、サプリメントなど、治療の選択肢も豊富にあります」
我慢せず、早めに手を打つことが、自身の生活の質を上げるカギ。自分の心地よい生活は自分で守っていきましょう。
関口 由紀(Yuki Sekiguchi)
「女性医療クリニック・LUNAグループ」理事長。人生100歳時代の日本の中高年女性の生涯にわたるヘルスケアを実践する第一人者。女性医療のスペシャリストであり、女性泌尿器科分野の専門医として、特にミドルエイジ以降の女性のフェムゾーンの悩み、セックスの悩みに寄り添う。2022年5月には、女性の性や身体に関するオンラインプラットフォーム「Femzonelab フェムゾーンラボ」をスタート。著書に『セックスにさよならは言わないで:悩みをなくす膣ケアの手引』(径書房)『性ホルモンで乗り越える男と女の更年期 知っておきたい驚異のテストステロンパワー』(産業編集センター)など。
取材・文/熊本美加
構成/宮島麻衣
写真/shutterstock
1