こんにちは。医療ライターの熊本美加です。

ある朝、鏡をみたら「えっ……」。急激に老け込んだ自分の顔に驚愕。眼が垂れてきて、ほうれい線がくっきりで、あごのたるみも気になる。全体に張りがなく落ちくぼんだ印象で、たるみやしわなど、急に気になりだし……。アートメイクに挑戦しようか、眼瞼下垂の手術を受けるべきか、いよいよエクソソーム治療なのかと検索しまくり、本気で対策を考える日々。費用対効果やダウンタイムなどを検討していたのです。そんな矢先に取材先の整形外科で言われた衝撃の一言。

「熊本さん。それは、もしかしたら骨の老化が影響しているかもしれませんよ」

骨? 先生、私はお肌の話をしているんですが……。と困惑したものの、骨の老化が表面的にわかりやすく出てくる場所は「顔」なんだそうです。

骨の老化と顔の老化の相関関係について、女性専門の整形外科「ゆりクリニック」にて「骨美容(ほねびよう)」を提唱する矢吹有里先生にさらに詳しく聞きました。 

前回記事「閉経後の女性は、転びやすく骨折しやすい。健康寿命を延ばす「骨」を守る方法とは?」>>

 


お肌を支えていた骨の土台がくずれてシワやたるみを生む

写真:Shutterstock

「顔は、骨の老化をわかりやすく反映する部位。なぜかというと、常に刺激がかかっている腰や脚などの骨に比べて、顔の骨は早く老化が進むからです」と矢吹先生。

では、顔の骨の老化が顔の見た目にどのような影響を及ぼすのでしょうか。メカニズムは以下のとおり。

①加齢などで骨量・骨密度が低下

②アイホールである眼窩(がんか)広がる

③目がくぼむ

④そこにつながっている靭帯が緩む

⑤脂肪や筋肉を支えられなくなる

⑥たるみやシワが生まれる

アイホールのほかにも、鼻のまわりや頬骨やこめかみ、あごの骨なども萎縮することで、顔が全体的にくしゃっとしたおばあちゃんのような印象になってしまうのです。