こんにちは、医療ライターの熊本美加です。

みなさんは肩こりや腰痛がツライとき、どうしていますか? 私はこれまでマッサージや整体に駆け込み、なんとかやり過ごしてきました。しかし年のせいでしょうか。先日、これまでの対処療法ではどうにもならないほどの脚の痛みに見舞われてしまったのです。

症状が悪化の一途をたどる中、最後の手段として訪れたのが整形外科。

これまで「お年寄りが行くところ」と、なんとなく選択肢から外していた整形外科での治療で劇的に良くなったのです! そんな「目からウロコ」体験で、改めて整形外科に興味津々。

特に女性は閉経によって急激に骨が弱くなったり、加齢によって身体の感覚も鈍くなることから、怪我や節々の痛みに悩む人が増えてくると思います。

いくつになっても健やかな身体でいられるように、整形外科での治療についてもっと深く知りたいと思い、女性専門整形外科「ゆりクリニック 」の院長、矢吹有里先生にお話を伺いました。

整形外科で痛みの原因がわかったら、これから何をすべきかが明確になった。

写真:Shutterstock

矢吹先生への取材の前に、今回私が整形外科に興味を持ったいきさつについて、もう少し詳しくお話させてください。

きっかけは、たぶんお家ヨガで無理なポーズをしたせいだと思います。右太ももの裏側の張りがひどくなり、なじみのマッサージや整体へ連日通うものの改善せず……。もともと姿勢の癖で痛みが出やすい右腰と左肩のしんどさが増し、一週間後にはなんと右足首までがパンパンに腫れあがってしまったのです! 足を引きずりながら、近所の整形外科にたどり着きました。

 

待合室はスポーツで怪我をした若者や杖をついた高齢者でいっぱい。ようやく名前を呼ばれて診察室に入り、腫れた足首を見せて「これって整形外科に来ていいのですか?」と聞くと、先生は「整形外科でしょ!」とちょっとドヤ顔。足首や腰などを診察し、「レントゲンを撮りましょう」と。私は「えっ、こんな軽症でレントゲン?」といぶかしく思ったのです。

しかし、出来立てのホヤホヤのレントゲン画像を見ながら、説明を受けて一気に納得。
腰椎の2番と3番の間が詰まっていて、その間の椎間板が後ろに飛び出しぎみ(要はヘルニア)の可能性がある。それが神経を圧迫し、右足の太ももの張りが出ている。右足首の腫れは、おそらく痛みをかばった歩き方のせいで、足首の後距腓靭帯が炎症を起こしている、と。

つまり、いつもの腰痛も含めマッサージや整体では治る症状ではなかったのです。

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飲み薬と湿布を処方されリハビリ室に案内されると、そこには首や腰を医療機器でひっぱられている人たちが並んでいる光景が! 「これが牽引……」と、ちょっと引いてしまったのですが、私もベッドで機械につながれ腰を牽引されると、なんとも新鮮&気持ちがいい! 

数日通院するうちにみるみる足首の腫れが引き、長年悩まされていた右腰の痛みまでもが軽減したのです。

2週間後の先生の再診で「いかがですか?」と聞かれ、「めっちゃ良くなりました! 薬も湿布もすごく効きました。すみません、整形外科なめてました」と報告すると、「原因に合わせた治療をしたからね」と、またしてもドヤ顔(笑)。

「整形外科、なめたらあかんぜよ」ということで、整形外科の治療についてもっと理解を深めたいと急いで取材のアポイントを取ったのでした。