まず、現実を知って欲しい、それからできることはたくさんあるはず


大澤:日本がもし一部の外国のように、国内が危険な状況になって、日本にいられなくなって海外に逃れたときに、日本が今外国人にしているのと同じような仕打ちにあったらと思うとぞっとします。日本でも、国内にいられなくなるようなことが今後絶対に起きないというわけでもないと思うんです。

自分が断ったら、この人は死んでしまうかもしれない。公的制度の空白を埋める現場の限界【入管法改正・仮放免の現実】第三回_img0
支援だけでなく、Twitterや記事などで精力的に発信を行う大澤さん。筆者もその発信から仮放免の方の現実を知るきっかけをもらいました。

——平和ボケですよね。自分たちは絶対にそうならないと思っている人も多いと思います。そういった想像力がないから、「文句を言うなら国に帰れ」と、全ての解決策が国に帰ることのように言う人たちが多いのかもしれません。今仮放免の方が置かれている状況は、決して他人事ではないし、ましてや私たちが住んでいるこの国で起きていることなんですよね。
本当に、仮放免の方が置かれている状況を聞けば聞くほど、あまりに酷くて、これが自分の住む国の現実だと思うと愕然とします……。私たちができることってどんなことでしょうか。

大澤:まず、こんな人もいるんだ、と知ってもらうことです。仮放免の人というのは、いるのにいないことになっているんです。ある人は「自分は幽霊みたいだ」、と言っていました。
仮放免の方の中には子供もいる。帰れない事情があり、病院に行けず、家賃も払えず、食べることもままならないような人たちがいるということをまず知って欲しいです。それからできることはいろいろあると思います。知るきっかけとして、難民・移民フェスというものがあり、5月20日に第3回が開催されます。他にも、入管法改正に声をあげる、などの方法もあると思います。

 


大澤優真さんTwitter:@yumananahori
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第1回「ただ生きのびるために日本に逃れてくる外国人を知って欲しい【入管法改正・仮放免の現実】」>>

第2回「収入を絶たれ困窮するだけではない。働く尊厳を奪われる外国人の声【入管法改正・仮放免の現実】」>>


取材・文/ヒオカ
構成/坂口彩(編集部)
撮影/柏原力
 

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