Q2. 自分のアソコのニオイが気になるようになってきました。いわゆる加齢臭なんでしょうか?

A. 更年期症状でニオイに過剰反応している可能性があります。

 

フェムゾーンのニオイに悩んでいる方はたくさん来られます。若い時は、腟の内の環境を整えてくれる分泌物が多く、外からの細菌感染を防いでくれています。ところが腟内の「自浄作用」の働きをしてくれる善玉乳酸菌(デーデルライン桿菌)や粘膜からの分泌物は、女性ホルモンの低下、ストレス、疲労で減少してしまいます。すると細菌感染しやすい不健康な腟になってしまい、おりものが魚や牛乳が腐ったようなニオイを発する原因になります。

また、閉経前後で臭覚が敏感になるのは更年期症状のひとつ。その場合、完璧にケアしていても自分のニオイが気になってしまう場合があります。同時にまわりの人のニオイも気になるようになっているはずです。

 

ニオイが気になる人にありがちなのが、ニオイを気にしてお風呂で洗いすぎてしまい、フェムゾーンの乾燥をまねき、かえってトラブルにつながってしまうという悪循環です。洗う時には、殺菌作用の強すぎる石けんはNG。腟内も石けんでは洗わないこと。腟を保護している常在菌まで殺してしまう可能性があるからです。シャワーでそっと流すか、どうしてもという方は、専用の洗浄剤を使うようにしてください。

フェムゾーンのトラブルを回避するには、まずはフェムゾーンの保湿と骨盤底筋トレーニングが大切です。潤いを与え、血流をよくすることで、ニオイも収まっていきます。

病院での対応は、雑菌が膣内に入り込むと膣が炎症を起こす原因になるので、まずは腟内に抗菌剤を投与。さらに尿道の円形化や腟前庭部の乾燥・発赤などの女性ホルモン低下による局所所見を認めれば、腟の潤いを取り戻すため、女性ホルモン(エストリオ―ル)腟錠を腟に入れます。エストリオールは女性ホルモンのひとつで、腟の自浄作用を回復させ、炎症に対する抵抗力を高める作用があります。