スマートフォン(スマホ)決済のPayPayが、8月から他社のクレジットカード利用を停止すると発表しました。PayPayはスマホ決済の最大手であり、自身のクレジットカードをPayPayに紐付けて使っている人も多いと思います。8月以降、PayPayが発行するクレジットカード以外は使えなくなってしまうわけですが、これについてはどう考えれば良いのでしょうか。
PayPayはスマホ決済をするにあたり、銀行口座からチャージする、登録したクレジットカードで支払うなど、複数の決済手段を選べるようになっています。これまでは、どのクレジットカード会社のカードでも登録できたのですが、8月以降はPayPayが発行するPayPayカード以外は利用できなくなってしまいます。
スマホ決済については、サービス事業者が乱立する状況となっていましたが、PayPayが大々的にキャンペーンを展開し、一気にシェアを拡大。同社の年間決済取扱い高が10兆円を超えるなど、現在ではPayPayの独走状態となっています。
一方で同社は巨額の先行投資を行ってきましたから、その資金をいかに回収するのかが企業として最大の課題となっています。同社は自社のクレジットカード以外を締め出すことについて、明確な理由は説明していませんが、他社のクレジットカードを利用する場合、同社が手数料を支払わなければならず、このコストを削減するためと考えるのが自然でしょう。
一連の措置を受けて、クレジットカードを使ってPayPayで決済している利用者の中からは驚きと困惑の声が上がっています。一部には、自分が保有しているクレジットカードが使えないのなら「もうPayPayは使わない」と宣言する人もおり、同社としては顧客流出が懸念されるところです。しかしながら、ここまで圧倒的なシェアを確保した今、同社としては顧客の囲い込みを行ったとしても、他社サービスへの流出は最小限に食い止められるとの判断があったことは想像に難くありません。また銀行からのチャージにすれば引き続き決済は可能ですから、それほど大きな影響はないと見る関係者も多いようです。
企業としては初期投資を回収しなければならず、自社のクレジットカードを優先するという行為はやむを得ない面がありますが、一方で消費者の立場からすると決済手段が限定されてしまうというのは良いことではありません。
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