「豊かさ」と「幸せ」は、どちらも主観的なもの
今回のアンケートの回答は、「“形がなくて、気づきにくい豊かさ”も色々とあること」を教えてくれるものでした。
ただし、これらから豊かさを感じるには、「そう思える心があるかどうか」が問われます。
拝金主義(※金銭を無上のものとして崇拝する思想)になってしまうと、そういったものに豊かさを感じられなくなってしまいます。
「豊かさ」と「幸せ」は、どちらも主観的なもの。目の前にある幸せを味わえるかどうかは、「それを幸せなことだと気づける感性」と「その幸せを味わえる心」があるかどうかにかかってきます。
たとえば、天気がいい日にお散歩をすることで、幸せを感じる人もいれば、逆に、「やることがなくて、つまらない」と感じてしまう人もいます。同じ環境であっても、前者は幸せで、後者は幸せではありません。
たとえ周りの人に、「あなたは不幸だ」と言われたとしても、本人が「自分は幸せだ」と思っていたら、その人はまぎれもなく幸せ者。つまり、幸せかどうかは、人が決めることではなく、その人がどう思うのか(=主観)が重要だということです。
それは「豊かさ」も同様です。たとえば、「時間がある」ことに豊かさを感じる人は、その時間を有効に使えます。
逆に、「暇だ」と感じてしまうと、その人にとって時間があることはむしろマイナスで、無駄な時間を過ごしてしまうでしょう。時間があることに豊かさを感じる人とそうではない人では、10年後にはもっと「豊かさの差」が生まれているかもしれません。
もちろん、ただ単に「お金がなくても、こういった“お金以外の豊かさ”を感じて、幸せになりましょう」と言いたいわけではありません。お金はお金で、生きていくためには、ある程度は大切です。
ただ、「お金以外の豊かさ」も感じられるようになったほうが、幸せにはなりやすいでしょう。
豊かさを認識することで、それを守れるようになる
実は、今回のアンケートの回答を見たとき、気づいてしまったことがあります。それは、「現代は少しずつ、これらの豊かさが失われてきている」ということです。
私たちは、お金に関すること……たとえば、増税や物価高のことには目を向け、文句を言いがちですが、「私たちにとっての豊かさ=宝もの」はそれだけではありません。
自然、家族、時間、心の余裕、文化、健康……これらも私たちの大事な宝ものです。
たとえば現在は、土地の開発や森林伐採が進み、自然が壊されていたり、企業の在り方が変わり、格差も生まれ、結婚したくても家族を作れない人が出てきたり。また、仕事(お金を稼ぐこと)に追われ、時間や心の余裕が得られなくなったり、さまざまな原因からアレルギーの人が増えたり、健康が損なわれたり……。そうやって少しずつ、間接的に「私たちの豊かさ」が失われてしまっていることが多いのです。
私たちがお金のことばかりに目を向け、「お金以外の豊かさ」に対しては気にかけないでいると、気づいたときにはそれらを失ってしまっていることもあるかもしれません。
失ってから「大事なものだった」と気づいても、もう遅いのです。そうなってしまう前に、私たちは何を「豊かさ」だと感じているのかをきちんと認識し、それらを守れるようにしていかなくてはいけないでしょう。
少しずつ壊れかけている社会の中で、私たちが本当に守らなくてはいけないことは何でしょうか?
今、目の前にある豊かさに気づき、大切にできるようになりたいものです。
【漫画】豊かさを感じるのに大切なこと
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