他にも、フランス人のよくない部分として挙げられたのは“あまりポジティブでない”、“働かない、ぐうたらしている”など。ううむ、これまた全員とは言わないけれど、なんとなく理解できる部分もあります。
対してよいところとして挙がった点も、みんな大体一致していました。中でも一番私が感銘を受けたのは“フランス人は日々の暮らし、人生を楽しんでいる”という意見。「アール・ド・ヴィーヴル(暮らしの美学)という言葉があるくらいだから!」と言われましたが、自分たちをそんなふうに表現できるって、すごい! と素直に驚きました。
次に挙がったのは、“食べること、飲むこと、みんなで集うことが大好き”。“気前がいい”、“人を温かく迎え入れる”、“よく料理をする”という意見も。
前出のカロリーヌと同じく大好きな友人であるアレクシアが説明するところによると「美味しいものを作って食べる、人を招くのが好きといっても、キッチンで長々と料理なんてしないの。それよりも、旬のものを使ってシンプルに。なるべく素材そのものを味わう料理を作り、皆で一緒に楽しむだけ。だから別に、忙しいなら家でなくてもいい。カフェのテラスで、風と光を感じながらアペリティフをいただく。それだけで幸せなことでしょう?」。
この言葉を聞いて、私が好きだと思っていた“ごく自然体で、食に興味があり、旬を大事にする”というフランス人像は、やっぱり間違っていなかったのだなと、嬉しくなりました。そして自分は、家に人が来ると思うとついついお料理を頑張っちゃうタイプなので、もっとチカラを抜いて楽しめるよう、ゆるっとしたメニューを考えるべきだなあと反省してみたり。
そんなふうに人をもてなすのが大好きなフランス人ですが、お招きされた際には守らなくてはいけない決まりがあります。それは、予定時間より少し遅刻して到着するということ。
「時間ぴったりに来るゲストなんて、本当にあり得ない!」と憤るカロリーヌ。「掃除に料理に準備で忙しいでしょう? だから、服を着替えてなかったり、キッチンが片付いてなかったりするのよ。それを見越して、10分とか15分、ちょっとだけ遅れて到着してあげるのがルールなの。私たちがルージュ・ア・レーヴル(口紅)を塗って、お客さまを迎えるための気持ちを整える時間の分、ね」
時間に間に合ってないことも、「口紅を塗るための時間」とおしゃれな言い訳に変換できるフランス人。さすがは生活を楽しむスキルに長けている人たちだわ〜と、つくづく感心したのでした。
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