皇族の方々が葬儀の際に身につける宝石「ジェット」をご存知ですか? 礼服に合わせるジュエリーは「パール」のイメージがありますが、日本の皇室では、黒の礼服にはジェットを合わせるのが正装とされています。
ジェットは、流木が化石となってできた漆黒の宝石。その穏やかな深い輝きが魅力です。加工のしやすい素材であることから、細やかな彫刻を施せることも特徴です。
喪の装いに合った漆黒の魅力を味わえるジェット。素肌の美しさを引き立てるしっとりとした輝きを持ち、年齢を問わず、身につける女性の魅力に寄り添う宝石です。
皇族の方々の装いを見ると、ネックレスの長さはご年齢にあわせて長くなる傾向があるものの、お好みにあわせて様々なジェットのスタイリングをされています。
大きさ、長さも自在に。それぞれにお似合いの「ジェット」を選ばれて
佳子さまは、小さめのイヤリングと、襟に沿うネックレス、流線を生かしたエレガントなデザインのブローチをお召しに。お若い皇族らしい、控えめでフェミニンなコーディネートです。
信子さまは、丸玉の大きさがグラデーションになったネックレスに、大ぶりの玉のイヤリングを合わせています。ブローチも細かな彫刻を生かした、特徴的なデザインです。礼服のデザインとともに、モードとエレガンスが両立したコーディネートです。
イヤリング、ネックレス、ブローチ。3点の輝きを生かして
紀子さまは、礼服に映えるネックレスとブローチが印象的なコーディネートです。艶を抑えた礼服の生地の上で、ジェットが穏やかに輝きます。
久子さまは、小さめの玉のロングネックレスを。縦のラインが生かされ、すっきりとした礼服の魅力を引き立てます。ブローチも縦長でボリュームを抑えたデザインです。イヤリングは大きめのものを選ばれ、全体のワンポイントに。
承子さまは、Vカットのジャケットの襟にショートネックレスをあわせています。礼服、ジュエリーともに黒いことで、デコルテの見え方も落ち着いた印象です。ジャケットにボリュームがあるため、ジュエリーは小さめのものですっきりとしたバランスに。
ヴェールとともに、黒を重ねた雅子さまの装い
ヴェール越しに輝く、ジェットのイヤリング。大きめのイヤリングは雅子さまの華やかなお顔立ちによくお似合いです。ブローチは滑らかなラインを生かした優美なデザインのものを。イヤリング、ブローチともに、ジェットの柔らかな輝きが引き立つカットです。
黒い礼服に漆黒のジュエリーを合わせることで、全体が調和した喪の装いとなります。黒のみで構成された装いだからこそ、そのバランスの取り方、合わせ方は様々。それぞれの場面や気持ちに合わせてコーディネートできるのもジェットの魅力です。
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【写真】漆黒の宝石に込められた想い…皇族の方々の「ジェット」のコーディネート
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1 2016年11月4日、三笠宮崇仁さま「斂葬の儀」にて。写真/ロイター/アフロ
2 2012年6月14日、三笠宮寛仁さまの「斂葬の儀」に参列される皇太子さま(現・天皇陛下・以下同)と雅子さま。写真/代表撮影/AP/アフロ
3 2002年11月23日、高円宮慶仁さま「拝訣の儀」にて。写真/The Asahi Shimbun
4 2022年9月27日、安倍晋三元首相の国葬に参列された信子さま。写真/代表撮影/ロイター/アフロ
5、6 2022年9月19日、英国・エリザベス女王の国葬にて。写真/代表撮影/ロイター/アフロ
7 2022年9月19日、ウェストミンスター寺院での国葬に向かわれる天皇皇后両陛下。写真/REX/アフロ
8 2022年9月19日、英国・エリザベス女王の国葬にて。写真/代表撮影/ロイター/アフロ
キャプションは過去の資料をあたり、敬称・名称・地名・施設名・大会名・催し物名など、その当時のものを使用しています。
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