元エリート弁護士の経歴を持つ美貌の探偵と、IQ140のアシスタント。凸凹な二人が世の中の「あり得ない」を鮮やかに斬るエンタテインメントドラマ『合理的にあり得ない〜探偵・上水流涼子の解明〜』、この作品のもうひとつの魅力が、天海祐希さん演じる主人公、上水流涼子(かみづる・りょうこ)のリラクシーなスタイルです。肩の力が抜けているのに決してくつろぎすぎない、絶妙なバランスの大人カジュアル。その「合理的」なコーディネートのポイントは? スタイリングを手がける大沼こずえさんに訊きました。

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カジュアルだけど品がある。等身大の天海祐希さんが見られる作品

カーキのシャツは〈マディソンブルー〉。柔らかな色味とゆったりしたシルエットからリラックス感が漂う。〈イレーヴ〉のホワイトカーゴを合わせて、清潔な大人カジュアルに。

凄腕の刑事に敏腕弁護士、天才医師など、これまで数々のトップエリートを演じてきた天海祐希さん。ドラマで披露するファッションも、クールなスーツやセレブリティ感あふれるモード服が中心でした。
しかし、今作品で演じている上水流涼子は、かつてエリート弁護士として法曹界に名を馳せながらも、ある事件をきっかけに資格と地位を失い、探偵となったアウトローな女性。雑居ビルを事務所兼住居にして、そこに日々持ち込まれる奇妙な事件に取り組む彼女の服装は、一見、ごくごくカジュアル。しかし、これが実にこなれた雰囲気なのです。

「ファッションからしても、これまで見たことのない天海さんが見られていると思いますよ」と語るのは、雑誌や広告で天海さんのスタイリングを手がけ、本作でも涼子の衣装を担当している大沼こずえさん。天海さんにとって型破りなヒロイン像をどう造形するか、撮影前に監督の光野道夫さんと検討を重ねたといいます。

「以前に天海さん主演の『離婚弁護士』(2004年放送)を手がけた光野さんは、ご自身もとてもおしゃれな方。元弁護士でお金持ち、ハイブランドのスーツを日常的に身につけていた涼子の側面を残しつつ、安っぽくならない、モード感のあるセレブカジュアルにできないかというのがオーダーでした。全体的にはメンズライクで、ジェンダーレスな時代を反映したユニセックスな雰囲気の中、長身かつバランスの取れた天海さんのスタイルを活かしています」(大沼さん)


ここが合理的①カットソー+パーカ+カーゴが定番。気に入ったアイテムは色違いで

インに着たカットソーは、セレクトショップで人気の高い〈エイトン〉。上に着た今期流行のパーカーベストは〈アダワス〉で、涼子は色違いで黒も持っていて、別のシーンで、やはりカットソーに合わせている。

そうして出来上がった涼子の定番が、カットソーにパーカー、カーゴパンツで足元はスニーカーという、リラクシーなコーディネート。回想シーンで身につけている〈ラルフローレン〉や〈ドルチェ&ガッバーナ〉〈ジョルジオ・アルマーニ〉のスーツスタイルからはかなりのギャップがありますが、それでも、ありふれたカジュアルスタイルとはどこか違って見えます。

「カットソーやTシャツは、すべて〈エイトン〉のもの。その上に、今シーズン流行の〈アダワス〉のパーカーベストを重ねて、カーゴパンツはヨージヤマモトが展開する〈リミフゥ〉だったり、〈イレーヴ〉だったり。シャツは〈マディソンブルー〉や〈プランクプロジェクト〉など、天海さんと同年代の方がファッション雑誌などで注目しているブランドから、デザイン性があって上質なアイテムを選んでいます」(大沼さん)

サイズ感も、これまで天海さんが演じたキャラクターのタイト&スキニーな印象からすると、全体的にややオーバーサイズ気味。ゆるっとしたシルエットからも、エリートの第一線を外れたアウトロー感が伝わります。
さらに、よく観察すると、カーゴパンツやパーカーの中には、これってもしかして同じ型? と思われるアイテムも。大沼さんによると、実際、涼子は複数のアイテムを色違いで持っている設定になっているとのことでした。クローゼットの中身がここまでリアルに見えるキャラクター、これまでのドラマにはなかなかいない気がします。

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【写真】天海祐希さん演じる上水流涼子に学ぶ「合理的」大人カジュアルコーデ
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