「海外旅行で災害に巻き込まれても自己責任」...攻撃する相手は“個人”ではなく、「想定外」で片づける“政権”なのでは?_img0
写真/Shutterstock

タッチパネルをピッ! と触るとか、ケータイをシュっ! とかざすとかだけで、なんでもかんでも魔法みたいにできる! ほーら便利! 程度にしか理解しておらず、たぶんその「シュッ!」とか「ぴっ!」すらも誰か別の人にやらせるのが日常の政治家が、中心になって「デジタル化」を進めたらそうなっちゃうよね、っていうのを克明に描いたコメディ映画みたいになっているマイナンバーカードのあれやこれや。

国民皆保険制度まで絡んだ、国民生活にとって重大なことがここまでひどい有様なのに、「すでに決定したことだから!」ってとこだけ謎に「がん!」として譲らないあたり、東京五輪がデジャブしてくるわけですが、五輪のその後の真っ黒な展開を見るにつけ、庶民目線で言えば「マイナンバーカードもそういうこと?」なんて思わずにはいられません。

 


いやでも今日話したいのは、台風が直撃したグアムの話。
なんでも今回の台風2号はとにかくすごい「スーパー台風」と呼ばれる、風速で70m前後を超えるもの。風速70mって木や電柱はもちろん、建物そのものを吹き飛ばすレベルで、グアムがそんな台風に直撃されたのは20年ぶりのことなのだとか。この週末にもそれが日本に来る! ということで、日本は臨戦態勢に入っていて、24日に直撃されたグアムでの被害ーー荒れ果てたビーチやホテル、浸水などで壊滅状態の客室、ライフラインの途絶、食料がない上に現金しか使えない、空港機能が復旧不能(29日に復旧)、台風で帰国できず部屋がなくてロビーで夜明かしーーのみが、その一環として報じられているわけですが。5月といえば日本でもグアムでも旅行に最高のシーズンなわけで、帰国できずに足止めを食らっている日本人観光客が結構おり、ツイッターにはその苦境が結構流れてきます。

コロナ禍でストップしていた海外旅行がようやく始まった矢先、お値ごろで距離的にも近いリゾートアイランドのグアムには、小さい子供やお年寄りを含む家族連れなんかも多かったんじゃないか……と非常に心配していたのですが、日本は「これから日本に来る!」という報道ばっかり。

臨時便とか出さないんだろうか? とニュース検索すると、韓国のニュースばかりが出てきます。韓国は、空港が復旧した29日に、10人の対応チームと国内の航空会社が11便の飛行機を現地に飛ばし、約3400人の被災観光客に食料などを配布したうえで、31日までに全員帰国が完了したようです。被災観光客のSNSグループでの情報共有もあったというのも、さすがデジタル大国。
一方、日本の被災観光客の様子は、本人たちがつぶやくツイッターのみ。私が読んだものでは、外務省、領事館などに問い合わせたものの「できることはない」といわれた、とか。そして帰国は、アメリカ系の航空会社の飛行機のみ。それも予定された瓶の欠航が続いているし、アメリカ人優先(成田は経由地)なので、なかなか席が確保できないようです。



それだけでも十分にひどい話ですが、ほんとに「ヘルジャパン」だなと思うのは、こういう人たちに「台風を想定できたはず。好きで海外旅行で災害に巻き込まれても自己責任」と石投げるリプが山のようについていることです。ありとあらゆることを「自己責任」という言葉で片付けようとする理論展開は本当にうんざりなんですが、その点に関しては「そんなことでストレス解消していると、自分に何か起きた時に巨大なブーメラン食らうことになりますよ」とだけ言っておくとして。