SNSなどでも感動の声が続々と投稿されている人気ドラマ『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』。米倉涼子さんが演じる主人公のキャラクターをより印象づけるためにひと役買っているのが米倉さんがまとう衣装です。担当したスタイリスト大沼こずえさんにその秘密を伺いました。
主人公・伊沢那美の基本スタイルは、ダブルのジャケットにパンツ
Prime Videoで世界配信されているAmazon Originalドラマ『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』。佐々涼子さんのノンフィクションをもとに、異国の地で命を落とした人たちを母国の遺族の元へ送り届ける仕事に光を当てた作品です。
ときにはユーモアを持って描かれるスペシャリストたちの奔走はもちろんのこと、各話で掘り下げられる人間ドラマが心に染みると評判を呼び、日本のAmazon Originalドラマ歴代国内視聴者数1位を更新。高い評価と人気の軸となっているのは、米倉涼子さん演じる主人公、伊沢那美のキャラクターです。
いつも熱くて豪快だけれど、細やかな気遣いで遺族に寄り添う人情味あふれるプロフェッショナル。そんな人柄の輪郭をよりはっきりとさせる衣装を手掛けたのは、雑誌などでも米倉さんのスタイリングを担当するスタイリストの大沼こずえさん。監督の堀切園健太郎さんやプロデューサーと打ち合わせを重ね、ひとつひとつのスタイリングを決定していったと言います。
「ご遺体を運ぶ仕事ですが、葬儀社ではないのでスーツの制服があるわけではないんですよね。失礼のない格好で弔いの気持ちを表しながらも、主人公自身が飛行機で海外に出張したり、実際に作業をする社長であることも考えて、仕事服としての那美の衣装を考えていきました」(大沼さん)。
ポリシーのあるスタイルを象徴しているアイテムが、那美が多くの場面で着用しているダブルのジャケット。「ダブルのジャケットにパンツを合わせて基本のユニフォームのような形にして、場面ごとにアレンジを加えています。シングルだとリクルートスーツっぽいイメージになりがちですが、ダブルだとカチッとしすぎず、なおかつ那美の姉御っぽいかっこよさも伝えられるのではないかと考えました」(大沼さん)
ベーシックな黒いスーツは一見メンズライクなアイテムですが、落ち感のあるしなやかな素材にすることで、那美の優しさも感じさせるスタイルに。またインナーにTシャツを合わせていることにも、もちろん理由があります。「国際霊柩送還士は急いで現場に行くこともある仕事。シャツに着替える暇もないような彼女が手に取るアイテムとして、Tシャツの方がふさわしいのではないかと思ったんです。薄めの素材のTシャツを合わせて、ここでも大人の女性らしい柔らかさを入れています」(大沼さん)
ラベンダー色のダブルスーツにカルティエのピアスとネックレス。ジュエリーで華やかさを
ベーシックな色合いが中心ですが、那美が社長を務める「エンジェルハース」の企業説明会の際には、赤がアクセントになったシルクのスカーフや、扇形をモチーフにしたブルガリのディーヴァドリームイヤリングをコーディネート。またテロ事件の説明会に参加する際に着用しているラベンダー色のスーツには、カルティエのジュストアンクルのイヤリングやパンテールドゥカルティエのネックレスを合わせています。
「那美のモデルである木村利惠さんのイメージを生かしたセレクトです。資料を読ませていただいたり、実際にお会いしてお話をした木村さんはとてもパワフルで、華やかなファッションを楽しんでいる方。地味になりすぎずにどこまでご本人の印象を残すのかバランスを考えたとき、全体的にはベーシックな衣装ですが、アクセサリーで華やかさを出していくことにしました。このドラマのためにショートカットにした米倉さんにも、よく似合うアクセサリーを選んでいます」(大沼さん)
腕時計はどんなシチュエーションでも違和感のないオメガに。パーティのシーンでの大胆に花があしらわれた迫力たっぷりの着物も、個性豊かな社員をまとめ上げる那美にぴったりの一枚です。
『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』で米倉さんが着こなす衣装をチェック
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