認知症の父の「タバコ問題」
あるとき、父の洋服や布団にいくつもの穴があいているのに気づき、どうしたのかと聞いたら、「タバコを落とした」のだと言うのです(驚)。
火事の恐れがあるので、本当はタバコをやめてほしいのですが、父にとっての毎日の楽しみは、「ビールを飲むこと」と「タバコを吸うこと」。人生の終盤に、数少ない楽しみを奪うわけにもいかず、頭を悩ませています。
とりあえず、“寝タバコ”をやめてもらうために、窓際に「喫煙スペース」を作り、そこで喫煙してもらうように。それ以外の場所で吸いたいときは、電子タバコに変えてもらい、念のためベッドサイドには、消火スプレーも置くようにしました。
「タバコを吸える高齢者施設」は限られる
父に限らず、喫煙をやめられない人は、高齢になったときに苦労するかもしれません。なぜなら、「喫煙スペースのある高齢者施設」が、限られているからです。
ネット上の情報では、「喫煙スペースあり」になっている高齢者施設でも、確認してみると、最近になって喫煙スペースをやめたというケースもあるのです。
現在、父の家にはヘルパーさんが来てくれて、掃除などをしてくださっていますが、いずれ高齢者施設に入ってもらうことになるでしょう。
今のうちに色々な施設をチェックしているのですが、喫煙をしなければ、好条件のところがあるのに、父はそこでは暮らせません。
また、たとえ「喫煙スペース」はあっても、自分の部屋から少し距離がある場合は、足腰の弱った高齢者にとっては、辛いもの。
私の父は、10年前に大腿骨頸部骨折をしてしまい、治った今も足腰が痛くて、杖をもってゆっくりしか歩けない状態なのです。
これは親に限らず、自分や“自分が介護する可能性のある配偶者”が喫煙者の場合も、注意が必要です。
いつか“終の住処”を探すとき、よほど高級な高齢者施設でない限り、見つけるのが難しくなることは、覚悟しておいたほうがいいかもしれません。
では、介護の経験者は、どんな方法で困難を乗り切ったのでしょうか。それについては、次のページで紹介します。
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