介護の大変さを乗り越えるために大事なこと


mi-mollet読者が「介護でうまくいった方法」は何でしょうか。このような回答がありました。
・ストレスを溜めないようにして、できないことは人に頼むようにした。
・自分だけで抱え込まず、ショートステイ、デイサービスなどを利用して、自己を回復させる時間を確保した。
・高齢者施設に入居してもらった。同居しなかったことは、お互いにプラスだったと思う。
・「私は味方なのだ」ということを分かってもらうために、しょっちゅう義母を抱きしめ、信頼関係を築いた。
・兄弟(姉妹)とLINEで父親の情報をシェア。共有することで、誤解し合わないようにした。
・介護で疲れても、フラットな感情でいられる自分になるように、本を読んだり、情報収集したりした。
・友人に話を聞いてもらったり、美味しいものを食べに行ったりして、気分転換することを心がけた。

など。

大事なポイントは、「自分だけで無理しすぎないこと」「自己のメンタルケア」「介護する相手、一緒に介護する人との信頼関係を築くこと」なのかもしれません。

自分だけで抱え込まないように、ケアマネジャー(介護支援専門員)さん、経験者などに相談しながら、介護していくことは重要なことです。
また、自分が幸せでないと、人を幸せにする余裕がなくなってしまうので、自分の機嫌をきちんと取ることも大事。無理しすぎないように、日頃から、自分の体(体調)と心の声を聞く必要があります。

 

「人間関係の悩み」が辛いことも


実は、介護そのものよりも、「人間関係の悩み」のほうが心に重くのしかかることもあります
介護する相手とはもちろんのこと、見落としがちなのが、「一緒に介護する人」とのコミュニケーション。面倒くさがらずにこと細やかに相談や報告をして、情報をシェアする必要があります。

特に、介護している兄弟(姉妹)間で「お金の使い方」でモメるケースは少なくありません。兄弟(姉妹)に報告しないで、(介護している)親のお金を使っていると、後々問題になることも。
介護は意外とお金がかかります。でも、介護していない人にとっては、何にお金がかかるのかが分からないことも。きちんと記録に残しておいたほうがいいかもしれません。

また、兄弟(姉妹)が介護に協力的でなく、自分ばかり負担になっていると、面白くなくなってくるのは、当然のこと。
親と同居しているなら、生活費として親のお金を使うことは、兄弟(姉妹)も納得するでしょうが、一緒に暮らしていない状態で自分だけが世話をしている場合は、親のお金の使い方について、後に問題になることもあり得ます。

介護している人が、親のお金から「介護のバイト料(お小遣い)」をもらってもいいと思うのです。ただコソコソしないで、事前にバイト料を決めて、兄弟(姉妹)にも許可をもらっていたほうが、後々モメないことは多いでしょう。
現実的に、「親のお金」で兄弟(姉妹)の縁が切れることもあるので、注意したいものです。
 

在宅介護か、高齢者施設か。どっちがいいのか?


介護が必要となってくると、「在宅介護か、高齢者施設か」で悩む人は多いでしょう。
私の母方の祖母は100歳まで生きたのですが、人生の終盤は高齢者施設で過ごしました。当時はまだ在宅介護する家庭が多い時代でしたが、私自身は、祖母にとっても家族にとっても正解だったと感じています。

なぜなら、祖母がひとりで暮らせなくなったとき、しばらくは母と暮らしていたのですが、母のほうが精神的にも肉体的にも限界がきてしまい、2人の仲が悪くなってしまったことがあるからです。
その後、高齢者施設に入り、生活のケアはプロの人にしていただきながら、母のほうは、祖母の「楽しみ担当」として、話し相手になってメンタルケアをするようにしたら、両者に気持ちの余裕が生まれ、幸せそうでした。
私はそんな2人の様子を見ていて、「高齢者施設に入れることで罪悪感を抱く人もいるけど、そんな必要はないんだな」というのを感じました。

ただし、経済的にも条件的にも、高齢者施設にすんなり入れられるような人ばかりではありません
私自身、父が入れそうな高齢者施設はないかと探したときに、驚いてしまったことがあります。それを次のページで紹介します。