100円も1年後には価値が下がる、当たり前だけど衝撃の事実
じゃあ、ここからは、収入を増やして、生活に余裕を持たせて、貯金を増やそう! というお話です。
「実は、預貯金だけで資産形成することはあまりおすすめしないんです」(市川さん)
いや、待って。どういうことですか?
「もちろん、預貯金も大事です。でも、物価はどんどん上がっている。今100円で買えている物が、1年後には100円で買えるとは限りません。つまり、物の値段が上がる=お金の価値は下がる。物価が2%上がっても、金利がそんなに上がることはありませんよね? 銀行に預けても金利が低く、物価が上昇しているとお金の価値が下がることに気づくことが大切です」(市川さん)
確かに、2021年1月には110円だったマクドナルドのハンバーガーも、2年後の2023年1月には170円と、約1.5倍になリました(もちろん、収入はそんなに増えてない……)。
金融知識がなくても、生きていくことはできますが、金融リテラシー高い人ほど、金融資産も年収も高いというデータも出ているんだとか。
お金について、知っているとより有利に生きられるのは間違いなさそうです。
とはいえ、金融教育を受けてきていない人にとって、何からどう手をつければいいのかわかりません。
「投資だと、誰でも始めやすくて手っ取り早いのがNISA(ニーサ)。投資は100円からできるし、株も1株から買うことができます。通常、投資をすると約20%の税金がかかってしまいますが、NISAは非課税(毎年限度額あり)。来年1月から新NISAが始まりますが、現状のNISA(〜2023年12月)とは全くの別物なので、始めるなら2023年中がおすすめです(※)」(市川さん)
(※)2023年中にNISAを始めれば、2024年1月から始まる新NISAとは別枠で資産運用ができ、2023年12月までに積み上った投資資金による運用益には税金がかからないため。
100円から始められるから、初心者も安心
「自動車の運転も、いきなり鍵を渡されて乗ってくださいと言われても、怖いし、できないですよね。体系的に自動車の技術やルールを学んで、運転をしているうちに自然と上手になっていくものです。それと一緒で、投資も体系的な学びと実践という経験値を積むことで上手になっていきます。少額で始めたら、仮に損をしてもその損失は限定的ですから、怖くありません。凄腕の投資家でも、投資で百戦錬磨などあり得ないので、初心者は怖がらずに少額で投資に慣れてください」(市川さん)
例えば、NTTの株価は162円(2023年8月18日終値)。1株から購入できると思うと、万が一、倒産したとしても損をするのは162円だけ。確かに怖くはありませんね。
ただ、自分のお給料は生活費や教育費に充てているという女性も多い中、少額とはいえ投資に手を出すのはちょっとハードルが……。
「10万円の手取りがあっても、例えば来月から増税されて手取りが9万円になったらどうですか? その中でやりくりをするでしょう。人は誰しも手元にお金があると使ってしまうもの。強制的に運用に回すのが一番。1万円ではなく、数千円でも全然OKです」(市川さん)
物価高騰のご時世だからこそ、節約、貯金ではなく「稼ぐ」「増やす」の攻めの姿勢が大事になりそうです。
節約よりも「稼ぐ」「増やす」時代!そのためにできる第一歩とは?
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構成/佐野倫子
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