ミドルエイジが直面する介護やお金の問題について、介護の専門家でFP資格を持つ渋澤和世が、皆さんのお悩みにお答えします。今回は、定年後の働き方について悩む会社員の美穂さんが相談に訪れました。話を聞いてみましょう。

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再雇用?再就職?悩める定年後の方向性

私は新卒で大手自動車メーカーの関連会社に入社し、50代になった今も同じ職場で働き続けています。職場には役職定年を迎えた人が親会社から出向してくることが多く、これまでいろいろな方たちの定年後の働き方を見てきました。

うちの会社は、定年後も引き続き雇用してくれる「継続雇用制度」を導入していますが、定年は依然として60歳。今は盛んにジェンダー平等が叫ばれているものの、男性は再雇用でそのまま残る割合が高く、対して女性は再雇用や再就職、退職と、それぞれの道を選んでいるように思います。

そんな中、再雇用でそのまま会社に残った人たちからは、以前よりモチベーションが下がったというネガティブな話をチラホラ聞くようになりました。これまでと同じ仕事内容なのに給与は下がりますし、中には「責任ある立場を退いたことで、自分は必要とされていないと思うようになった」と話す先輩もいます。

逆に再就職した先輩からは、「このまま会社に残るより給料も上がったし、新しいことも覚えられて新鮮よ」というアドバイスもありました。ですが60代に入ってから転職なんてハードルが高すぎますし、その先輩が優秀なだけ、と思わずにはいられません。

何はともあれ、定年後の働き方についてそろそろ準備をしなくては、と感じ始めるようになりました。今さらかもしれませんが、何か資格を取っておいた方が選択肢も広がるかもしれないと思ったり……。

取り急ぎ、定年を迎えた人たちのリアルな状況と、定年後も収入を継続させるためのポイントがあれば教えてください。

 
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