BMSGの活動方針から見えてくるSKY-HIの「優しいリベンジ」とは


歌もダンスもラップも。BE:FIRSTのパフォーマンス力があらゆる方面でレベルが高い背景には、彼らが所属し、SKY-HIが代表を務める事務所・BMSGの方針があります。

 

BMSGが、BE:FIRSTのメンバーを選出したオーディション『THE FIRST』のときから掲げているのは、「クリエイティブファースト」「クオリティファースト」「アーティシズムファースト」のボーイズグループをつくるということでした。

こうした方針を掲げる根底には、エンタメ業界のアンダーグラウンドからトップシーンまでを経験してきたSKY-HIの想いや、彼が捉えているエンタメ業界の課題感があります。

 

SKY-HIは著書『晴れるまで踊ろう』(扶桑社)の中で、彼が長く身を置いてきた日本のエンタメ業界が、歌い、踊り、ラップもできる才能のある若者の居場所をつくってこなかったこと、その結果としてエンターテインメントを志す一部の若者が「居場所がどこにもない」と苦しんでいる状況があることに大きな課題を感じていると明かしていました。

その課題感は、かつてのSKY-HIの姿にも重なるものがあります。SKY-HIは、人気ダンス&ボーカルグループ・AAAの日高光啓として活躍しながら、同グループのラップにおけるリリックメイキングを担い、さらにはしばらくの間、アンダーグラウンドでラッパーとしての活動を模索している状況がありました。

そうした“二足の草鞋”のような活動スタイルだったのは、やりたいことに忠実だったSKY-HIの行動力のすごさを示しているだけでなく、日本のエンタメ業界にSKY-HIのようなマルチに活躍できる存在を受け入れる「居場所」がなかったという事実の表れでもあります。

そのような課題を解決し、若い才能を殺さず、輝かせることができるような場所をつくる。それがBMSGのやりたいことであり、SKY-HIがよく各所で語る、かつての自分を救う「優しいリベンジ」のあり方なのです。


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