日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをご紹介していきます。

今日ご紹介するのは、夫婦の会話にまつわるモヤモヤエピソードです。

 

「ママは感情的すぎる」


エピソードをお寄せくださったのは、中学生と高校生の娘さん二人を育てるリエコさん(47歳・主婦)。


娘二人は思春期まっさかり。進路のことや、学校生活でのこと、お友達付き合いのことなど、母として悩みは尽きません。

夫は忙しいサラリーマンで、家のことは基本的に私に任せっきり。娘に対しても、服装を見ていきなり怒鳴りつけたり、甘え上手の次女にねだられて高額なお小遣いを渡したり……。普段の子供たちの様子を見ていないから、態度が気まぐれなんですよね。私としては、子どもに対しては一貫した態度で接したいと思っているのに、調子を狂わされて困ります。

先日、長女が休日に出かけようとしたときに挨拶がおざなりだったのが気に障ったようで、「なんだその態度は! 勉強はどうした? 遊びに行くのはやめろ!」と大声で怒り始めました。長女も負けずに言い返して、大げんか。私が割って入ってなんとか仲裁しましたが、次女もつられて機嫌が悪くなり、その週末はどんよりした空気に……。

普段は家のことをあまり夫に話すことはありません。でもこの時ばかりは、「あんな態度はやめてほしい。いつも子供の話を聞かないくせに……私がどんな気持ちで子育てしているか!」と食ってかかってしまいました。話しているうちに気持ちが高ぶってきて、辛かったあれこれを思い出してつい涙が。すると夫は、「ママは感情的だから、何を言っているかわからないよ」と苦笑いで寝室に逃げていってしまったんです。

その日以来、夫は娘の前でも「ママは感情的でヒステリック」と言うようになり、娘たちも「わかる~」なんて答えて盛り上がっています。私が頑張っていることってなんなんだろう……とむなしくなります。

 


「トーンポリシング」に惑わされないで

 

普段ため込んでいたモヤモヤが、思わずあふれ出てしまったんですね。ほぼ一人で子育てされているリエコさんの悩みの深さを想像すると、なんとも言えない気持ちになります。

リエコさんはご主人に、子育てへの考えや娘さんたちの状況を伝えたかったんですよね。普段あまりそういう話をする機会がないのであれば、話そうとしたときに感情が高ぶってしまうのは当然のことだと思います。ご主人には、まずその感情を受け止めてほしかったなと思います。

相手に意見されたり攻撃されたときに、相手の口調や論調を非難することで論点をずらす行為を「トーンポリシング」と呼びます。

 
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