ファッションスタイリスト佐藤佳菜子さんが日常に感じる思いを綴る連載です。


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「背が小さくて困る」
と日常生活で感じるのは、キッチンの上の戸棚の中身がとれないことだけ。それくらい、周りの人々が思うほど、低身長に困っていません。

この身長になって早うん10年、いい加減もう背が伸びないことに諦めもついて、それを受け入れてからも、すでにうん10年経過。背が高くないと着こなせないようなアイテムにあえて挑んでいくほど、わたしの性格はハングリー精神に富んでいない。ただ似合うものの範疇から服を選んで生きていくのになんの不満もなかった。

ただ、そこをあえて見つめ直してみれば、もっとこういう風なら、背が低くても着こなしやすいのに、とかは経験上ある。それから、これはポジティブな意味で、背が低い人にしか似合わないもので、低身長の特権だな、と思うようなアイテムも知っている。41年もこの身長(156cm)で暮らしていた積み重ね。

この度、その思いをカタチにできる場所をいただいた。小柄な人向けのブランド『LASHIKU(ラシク)』とのコラボレーション。低身長の人へ向けたブランドは、大手百貨店の売り場にもなるくらい、少なからず世の中にあるのは知っている。ただ、小柄だというだけで、なんとなく甘いテイストを好むと思われるのか、服のサイズ感もあいまって子供っぽい印象のものが多いような気がして、足が向かなかった。そういうのじゃない感。

『LASHIKU』のみんなと最初に話したとき、上質なものを好む大人たちが着られるような、洗練されたモダンな服を作りたい。オンライン中心の販売でも、品質にこだわりたい。というので、一気に楽しみになってしまった。

まず、コラボレーション第一弾として、考えたことがふたつ。ひとつめは、たとえ着たいと思っても、お直しがしづらいデザインのものを、あらかじめ低身長向けの丈で作りたい。それから、ふたつめは、低身長だからこそ似合うものをつくりたい。

「小柄の方が楽しめる服」を考える『LASHIKU(ラシク)』とのコラボ【スタイリスト佐藤佳菜子さん】_img0
ニット/プルミエアロンディスモン パンツ/LASHIKU バッグ/メゾンカナウ 靴/アライア

このラッフル付きのジョガーパンツは、すそ絞りのカジュアルなパンツが穿きたいと思っても、ボリューム的にもすその長さ的にもしっくりくるものがなかなか見つからないという経験から。お直しなしでぴったりな丈感に、持て余さないボリューム感。今回のコラボの中でも一番の人気アイテムです。わたし的には、こんな遊びごころのあるものを気に入ってくださるお客様がたくさんいたことが、うれしい驚き。

 
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