時代の潮目を迎えた今、自分ごととして考えたい社会問題について小島慶子さんが取り上げます。
かねて、「母性・父性」っていう呼び方はなんとかならないかと思っていました。この字を見たら、女が子どもを産むと泉のように湧いてくるのが母性で、男が子持ちになると発動するのが父性だな! と思いますよね。でも、他者を受容する性質も、他者に規範を示す性質も、ヒトが基本的に持っている共通の性質じゃないでしょうか。
母性や父性の強さに違いがあるとしたら、男女差じゃなくて個人差ですよね。私自身も母性的な面と父性的な面を併せ持つし、夫は私よりも母性的な面が強い。子どもがいなくても母性的・父性的な人もいます。「母・父」っていう字を使っているから、その性質が性別によって決まっているとか、子持ちに特有のものと誤解されてしまう。なんか違う言い方はないのか!! と思っていたら。
最近は「親性(おやせい、parenthood)」というものの研究が進んでいるのですね。性別や、子どものいる・いないに関わらず、ヒトの脳には子どもを守り育てようとする「親性」に関連する「親性脳」のネットワークがあるということがわかってきたのだそうです。先日ある科学番組でそれを知って、なななるほどーと膝を打ちました。調べると、いろいろな研究が行われています。
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