ミドルエイジが直面する介護やお金の問題について、介護の専門家でFP資格を持つ渋澤和世が、皆さんのお悩みにお答えします。今回は、年末年始の帰省で家族全員が揃うタイミングで、これから訪れるであろう親の介護について家族で話し合いたいと思っているという雪江さん。話を聞いてみましょう。

前回記事
【老前整理は50代から】どんなことから着手?早く始めるとどんなメリットがある?徹底解説>>

 


親の介護、きょうだい間で分担できる?

我が家は3人きょうだいですが、私は福岡、兄は東京、妹は名古屋とバラバラの土地に住んでいます。実家は福岡にありますが、私たちきょうだいはそれぞれ家庭を持っていることもあって、家族みんなが集まれるのはお盆や年末年始の休みの時ぐらい。ですが三世代が集合するのでいつもバタバタで、親の介護や実家の今後についてなど、これまで突っ込んだ話はできずにきてしまいました。

ですが今年のお正月は、少しゆったりしたスケジュールで集まれることもあって、その辺りの話を少し詰めようと思っています。というのも、80歳になる父が、先月要介護1に認定されてしまったんです。要介護の中では介護レベルは一番下で、日常生活には支障をきたさない程度ですが、介護度は今後もっと進んでいくでしょう。これまで親の介護はどこか他人事のように感じていましたが、我が家もついにその時が来たのか……と戦々恐々としています。

私は実家から30分の距離に住んでいることもあって、両親は何となく私を頼っている気がします。兄や妹も、距離的に一番近い私に介護をやってもらおうと思っているかもしれません。家族仲はいいので揉めることはないと思いますが、つい先日聞いた同僚の話が引っ掛かっています。

何でも同僚は、きょうだいの中で一番余裕がありそうだからという理由で、2人の姉に親の介護を押し付けられたとのこと。介護費用は親御さんがきっちり出しているようですが、介護施設との細かいやり取りや通院の付き添いがかなり面倒だとボヤいていました。

我が家の子どもたちはまだ高校生で、自分自身も仕事を持っているので介護にかける余裕は正直ありません。そこで、今回の帰省できょうだいと介護の分担を話し合う上でのポイントなどがあれば教えてください。