子どもが担う4つの介護の役割


以前こちらの記事で、親の介護が必要になる前に確認しておきたい情報ときょうだい間で話し合うべき内容について触れました。今回は、介護の役割分担について少し詳しく見ていきましょう。

介護というと、食事や入浴、排せつの介助など、身体的サポートを思い浮かべる方が多いと思いますが、それ以外にも役割はあります。介護サービスを利用するのであれば、親に代わって契約をしたり、ケアマネジャーとの窓口になったり、病院では治療法についての決断を迫られるかもしれません。

子どもが担う介護のおもな役割は、大きく分けて以下の4つです。

年末年始の帰省で話したい「親の介護、きょうだい間でどう分担する?」ケアマネとの連絡から情報収集まで_img0
 

メインで介護を担う介護者や意思決定を下すキーパーソンは、負担が大きくのしかかってくるもの。そこで他のきょうだいも、週末だけでも介護をサポートしたり、定期的に電話をかけるなど、資金援助も含めて協力することが大事です。

なお、介護は情報戦とも言われており、④の「介護サービスの情報収集」も侮れません。介護では、要介護者が生活を送る上で困らないように必要最低限の支援をしてくれる「介護保険サービス」と、より豊かな生活を送るためのサービスを提供してくれる「介護保険外サービス」の2つを組み合わせることが理想とされています。市区町村によるものから民間の企業が提供するものまでさまざまですが、これらの情報は自分から取りに行かないと得られません。

介護保険制度は3年に一度見直しが行われていますし、便利な介護グッズもどんどん出てきています。子育てと同じように、介護の情報収集は終わるその時まで続くのです。

 

介護する側の1日のスケジュール例【在宅介護の場合】


私、渋澤は、主たる介護者、キーパーソン、金銭管理、情報収集はすべて自分1人で行いました。労力提供に対する経済的支援はお互いさまで、むしろウィンウィンの関係だったかもしれません。

当時は親が老人ホームに入ったと思って在宅介護をしていましたが、生活費は毎月年金から相当額をもらっていました。ただ、高齢の親が加わったからといって、食費や水道光熱費が激増するわけではありません。ちょうど子どもたちの教育費もかかる時期だったので、むしろ親がくれた生活費は助かりました。

なお、在宅で介護を行う際は、ホームヘルパーや看護師、理学療法士に自宅に来てもらう「訪問介護・看護サービス」、デイサービスやデイケアなどに通う「通所介護サービス」、施設などに短期間泊まる「短期入所介護サービス」などの公的介護サービスを利用できます。

私はフルタイムで働いていたこともあり、訪問介護、デイサービス、短期入所(ショートステイ)が1つの施設にあって、同じ職員が対応してくれる「小規模多機能型居宅介護」という種類の事業所を選びました。親は毎日施設に通っていたので、私自身は介護離職することなく日中は普通に仕事をこなせました。

介護と言っても経験のない方にはイメージが湧きづらいかもしれませんので、当時の1日のスケジュールもご紹介しておきます。