コロナ禍が始まった2020年は、家でひたすら配信映画やドラマを観ていたひとが多いかと思います。僕もそうなんですけど、行動制限がほとんどなくなった2023年もだいたい家で映画やドラマを観ていましたね……。
ということで、今年新シーズンが配信された海外ドラマのなかから、個人的な年間ベスト5を紹介します。
5位:『海賊になった貴族 シーズン2』
まずは軽く観られる一本です。18世紀初頭の海賊の黄金時代に実在した、地主から海賊に転身したスティード・ボネットを主人公にした時代物のドラマ……なのですが、これはロマコメです。慣れない海賊生活にはじめはアタフタしているボネット(リス・ダービー)があるとき、同じく実在した伝説的な海賊である「黒ひげ」ことエド・ティーチ(タイカ・ワイティティ)と出会い、恋に落ちる様が描かれるのです。
メインふたりだけでなく海賊たちがおもなキャラクターなので、出てくるのはいかついおじさんばかり。けれどこのドラマでは彼らの恐ろしさではなく、助け合ったり恋に落ちたりする姿を通して、そのかわいさを全面に押し出してくるのです。
俳優/映画監督として活躍するタイカ・ワイティティがいつになく王道セクシーな役柄で登場したり、黒ひげの部下イジー・ハンズも中年男性の色気バシバシだったりと、おじさん好きは必見の一本です。不器用で無骨なおじさんと恋に落ちた~い! いう気持ちになるのは僕だけではないはずです……たぶん。
ただ、コメディではあるものの、おじさん同士の恋愛を茶化すことなく、胸キュンのロマンスとして描いているのがこのドラマのいいところ。また、ノンバイナリーのキャラクターが出てきたり、ドラァグ文化の要素が現れたりと、現代的なクィア要素が自然に入ってもいます。これは近年、アメリカでクィア・コメディが流行中であることと関係していると思います。そこではLGBTQ+のドラマが悲惨なものではなく、楽しく親しみやすいものとして映し出されているのです。
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