美容情報が溢れる今、本音を言えば「今の私に合う・必要な化粧品を知りたい」。大手化粧品メーカーの研究所で商品開発・マーケティングを担当していたビューティサイエンティストの岡部美代治さんに、美容成分と化粧品の選び方について教えてもらいました。
ビューティサイエンティスト/岡部美代治さん
大手化粧品メーカーに35年以上勤務し、商品開発・マーケティングを担当し、数々のヒットコスメを手掛けた。美容コンサルタントとして独立後、化粧品会社の商品開発のアドバイスや美容教育アドバイスの他、講演などを精力的に行う。定期的に開催している「ビューティサイエンスセミナー」は今年で10年目に突入。今年8月には自身が監修した『正しく知る・賢く選ぶ 美容成分大全』(ナツメ社)は美容業界に携わる人たちの美容の教科書として話題に。詳しくは「ビューティサイエンスの庭」をチェック。
化粧品を賢く使うには化粧品メーカーからの「ラブレター」をしっかり読むこと!
35年以上大手化粧品メーカーに勤め、化粧品を作る側にいた岡部美代治さん。数々のヒット作を生み出し、独立後も美容情報を発信すべく精力的に活動していることは皆さんもご存知のとおり。今回は「40代以降の役立つ美容成分」と題し、美容成分をわかりやすく解説しながら、化粧品を賢く使う方法を教えてもらいます。
――化粧品を作る立場にいたからこそわかる、化粧品を賢く選ぶ方法を教えてください。
「化粧品業界のトレンドは美容成分で決まると言っても過言ではありません。昔では考えられなかった成分を組み合わせ、技術の進化で効果実感を全面に打ち出す化粧品が多くなりましたね。化粧品における美容成分の存在は、今後、ますます大きくなっていくでしょう。
僕は美容成分の特長や効果は知っておいた方がいいと思うんです。肌効果も大きく変わるし、これらの美容成分を踏まえた化粧品を正しく知る・賢く選ぶためにも必要なことだから。
美容成分の細かなことはこれから学ぶとして、まずは化粧品を賢く選ぶ方法をお教えします。化粧品を購入した時に箱の中に入っている「能書」があるでしょう? これをしっかり読むことをおすすめします。能書は化粧品の特徴をはじめ、効果・成分・使用方法など化粧品の全てがわかる“トリセツ”。“作り手側からお客さまへのラブレター”みたいなものなのです」(岡部さん)
40代の「シミ」「シワ」悩み、どう守る? どう攻める?
「ミドル世代のシミやシワに悩む人が多いですよね。シミといっても種類も症状もさまざまです。シミの原因となるメラニンの色素が増えることがシミの始まりなのですが、このシミにもいろいろなアプローチの仕方があります。そもそもメラニンを作る司令を出させないようにしたり、メラニン色素を作らせないようにしたり。他にはメラニン色素の蓄積を防ぐ、メラニン色素を分解するなどたくさんあるんです。その一部をわかりやすく説明していきますね」(岡部さん)
美白ケア・シミへのアプローチの仕方を見比べ
シミの原因となる「メラニン色素」へのアプローチ。 働き方別に美容成分を紹介!
① メラニン色素の合成を阻止する
「メラニンの色素合成の司令が下されても、その後のステップで止めることも可能。褐色のメラニン色素を作らせない、つまりメラニン色素の合成を抑制するアプローチになります。今ある美白化粧品の中でこの働きをする美容成分を配合したコスメが一番多いですね」(岡部さん)
【主な美容成分】
ビタミンC、カモミラET、アルブチン、ルシノール 、4MSK、トラネキサム酸、コウジ酸、ビタミンC誘導体、ナイアシンアミドなど
代表的なコスメは……
② メラニン色素の受け渡しを防ぐ
「メラノサイトで作られたメラニン色素は表皮にある基底細胞へと受け渡されるのですが、この受け渡しを阻止する美容成分も。メラニン色素が広まらないように働きかけます」(岡部さん)
【主な美容成分】ナイアシンアミドなど
③ メラニン色素を分解・排出する
「シミが作られる最終工程で働きを抑えるアプローチ。ここの関所を止められなかったものがシミとなるわけですから、最後の砦となるわけです。メラニン色素の分解と排出のサポートをします」(岡部さん)
【主な美容成分】4MSK、AMP、ビタミンC誘導体、リノール酸、グリコール酸、プラセンタエキスなど
代表的なコスメは……
Comment