2024年の注目ポイントは11月のアメリカ大統領選挙。「もしトラ」になっても、米国経済的には悪くないのでは

物価上昇、円安、インボイス制度などのダメージがじわじわきている昨今。経済的な不安を払拭するにはどうしたら良いのでしょう……。初の著書『元外資系金融エリートが語る価値あるお金の増やし方』(KADOKAWA)が重版された肉乃小路ニクヨさんにお話を伺い、金融情報をアップデートしたいです。

 


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肉乃小路ニクヨ(にくのこうじ・にくよ)
経済愛好家、ニューレディー、コラムニスト。渋谷教育学園幕張高等学校を卒業し、慶應義塾大学総合政策学部へ進学。大学在学中より女装をスタート。大学卒業後は金融業界で10年以上勤務し、お金のプロとして様々な提案を行う。証券会社、銀行、保険会社などを渡り歩き、夜は新宿2丁目の夜の社交場で、人間観察力を磨いてきた。42歳で退職し、その後はフリーランスとして、自分らしく生き、人生をバラ色にするために必要なお金との付き合い方を、多くのメディアで熱く発信する。千葉県出身。

前回(約1年半前)は対談の合間に、タイの男子の乳輪の話をしたことしか覚えてないわ」とおっしゃるニクヨさん。もう、乳輪とか悠長なことは言ってられない風潮になってきています。まず、米国経済が、景気後退に入っているという説もありますが、ニクヨさんのお考えを伺うと……

「今年の一番の注目ポイントは、11月のアメリカ大統領選挙。バイデン大統領は、アメリカ経済の景気が悪い状態で選挙を迎えたくないはず。もし景気が悪くなりそうになったら、何らかの経済対策を打ってくるはずなので、景気は維持されるのでは?と思っています」

それでは万一トランプ前大統領が当選したらどうなるのでしょう。

「今、経済界では『もしトラ』という言葉があります。『もしドラ(もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら)』というドラッカーの本がヒットしましたが、それをもじった言葉で、もしもトランプが大統領になったらって意味で言われてます。前回トランプ大統領になった時、株は意外と堅調な動きをしていたので、『もしトラ』になっても、米国経済的には悪くないんじゃないかなと思います

陰謀論界隈では、トランプ前大統領が「量子金融システム」を導入することで、なぜか日本人に1人ずつ約6億円ずつ支給されるという珍説がありますが……さすがにそんなことは実現しなさそうです。ニクヨさんも一笑に付していました。

 

2024年には円安解消か。長期的観点からは、資産の一部を米ドルで保有するのもおすすめ


また、気になるのは円安です。海外旅行も気軽にできない状況で、海外の株や投資信託を買うのも高くついてしまいます。

「世界で円が不当に安く扱われていると思いますね。日本はマイナス金利なので、金利を上げようという動きも出てくると思います。米国の金利が下がって、日本の金利が上がると、金利差が縮まって円高に向かうのではないでしょうか

でも、長期的には日本円は弱いままという説もあるので、資産の一部を米ドルで持っておくのは良いと思います。例えば三井住友銀の個人米ドル定期預金金利は5%くらいあって、かなり高いです。そういう私は外貨預金全然やってないんですけどね。為替ヘッジなしの米ドル建ての投資をしているので、そちらの方が楽しいと思ってて」

肉乃小路ニクヨさん待望の初著書『元外資系金融エリートが語る 価値あるお金の増やし方』(KADOKAWA)は、売れ行き好調につき重版出来!

やはり投資は「楽しい」を優先に余裕を持ってやるくらいが良いのかもしれません。老後資金をなんとかしたい、と必死で大金を投じたら含み損が大変なことになってしまいました。ニクヨさんはアメリカ経済推しみたいで、

アメリカは、景気後退してもおかしくないくらいの高い金利水準なのに、当初言われていた景気の急降下(ハードランディング)にはならず、ソフトランディングになっている。アメリカ経済はすごいなって思いますね」

と、リスペクトを語っていました。好きな国や好きな会社に投資する、というポジティブな動機が原動力のようです。

 
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