石川県能登地方の地震災害で、避難所の衛生環境悪化が懸念されています。日本では体育館などで雑魚寝するというのが当たり前ですが、 諸外国ではそうではありません。この問題は以前から指摘されているのですが、どういうわけか、一向に改善される気配がないようです。
現在、被災地の各避難所では、仮設トイレの不足や体育館での雑魚寝など、多くの被災者が厳しい環境での生活を余儀なくされています。日本ではこうした避難生活が当然視されている面があるのですが、諸外国のケースを見ると、そうではありません。
日本と同様、地震災害が多発するイタリアでは、避難所の設置基準が法律で明確に定められており、大型のテントが原則として家族ごとに割り当てられ、プライバシーが確保された状態でベッドで寝起きができます。エアコンが設置されるケースもあるようですし、仮設トイレも洗面台とトイレがセットになったユニットが提供されることが多く、限りなく普段の生活に近い状態を構築するという考え方で避難所が運営されていることがわかります。
避難所での食事にも大きな違いがあります。欧米各国では被災地で調理することが原理原則となっており、温かい食事を摂取することが可能となっています。ボランティアの数も多く、プロの調理師なども配置されるようになっており、温かいだけでなく、ワインやデザートなども加わった美味しい料理が食べられるそうです。
これは贅沢をするという意味ではなく、被災者の身体的なケアはもちろんのこと、心理面での効果も考えられたものであり、すべては犠牲者を最小限にするという概念に基づいています(当然ですが、ベジタリアンや宗教上の制約についても考慮されています)。
日本では避難所の環境が劣悪であり、これが被災者の健康面や日常生活への復帰に障害をもたらしているとの指摘はずっと前から行われてきました。東日本大震災という悲惨な出来事を体験したこともあり、多くの関係者は今度こそ、日本でもしっかりとした避難態勢が構築されるのではないかと期待していましたが、まったくといってよいほど状況は改善していません。
では、なぜ先進国の中で、日本だけが劣悪な環境での避難を余儀なくされているのでしょうか。
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