「黙って耐える」ケアラーの限界

 

ヒロコさんのご主人は娘さん夫婦の態度に怒っていて、ヒロコさんはまだ我慢しているという状況も少し気になります。子育てや介護に代表されるような「家族をケアする仕事」は、「我慢できる人」に寄せられがちなのが現実。不満やモヤモヤを口に出さずに我慢していると、周囲の人はますますヒロコさんに甘えるようになるのではないかと思います。

娘さん一家と気持ちよく付き合っていくためにも、ヒロコさんのモヤモヤはなんらかの形で相手に伝えてほしいです。

 

できれば、お互い冷静で穏やかな気持ちでいるときに話すことができたらいいですね。

娘さんのつっけんどんな言葉は、心の余裕の無さのあらわれ。娘さんにイラっとした瞬間に、ヒロコさんも感情的に「その言い方はなんなの!」などと返してしまうと、そのまま喧嘩になりかねません。

喧嘩は喧嘩でストレスの一時的な発散にはなるかもしれませんが、冷静に話し合えずにわだかまりが残る可能性が高いです。それよりも、娘さんにも心に余裕がある休日などにお茶でもしながら、「実はちょっと気になっているんだけれど……」と切り出せたらいいですね。

実際に娘さんと話すときには、「私は何を求めているのかな?」と事前に頭を整理しておくといいですね。どんなに慎重に場と言葉を選んでも、娘さん側が、「じゃあ、どうしたらいいのよ?!」と迫ってくることも想像されますから……。「こちらの都合を確認してほしい。感謝の言葉がほしい」なのか、「家で面倒を見るだけじゃなくて、休日に一緒に出かけて楽しみを共有したい」なのか、ヒロコさんの思いがちゃんと伝わるといいなと思います。

ヒロコさんへの感謝の気持ちが足りないように感じられるのは、娘さんたちが本当にいっぱいいっぱいだからなのかもしれません。冷静に考えれば、娘さん一家がいかにヒロコさんの存在に支えられているか分かるはず。「いつも献身的なおばあちゃん」であるヒロコさんもたまには気持ちを主張して、モヤモヤを解消してくださいね。

 


【漫画で解説】「私って無料のベビーシッター?」バリキャリワーママの娘を黙って支える60歳主婦のモヤモヤ。我慢し続けるが正解?
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文/梅津奏
作画/Sumi
構成/山本理沙

 

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