「『ちょっと好き』くらいだと、『あの人よりも私の方が好きだよな』みたいな形で比較が生まれるから、頑張って『大好き』の状態までいかないと。そうなれば、周りの人のことなんて気にならなくなりますから」(みうらじゅんさん)

前編「あなたがいま苦しいのは、他人や過去の自分と比較してしまうから。みうらじゅん、田口トモロヲ、峯田和伸が語る「軽やかに生きるための秘訣」」>>

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自分の理想を追い続ける若きバンドマンの苦悩を描き、大ヒットした映画『アイデン&ティティ』。その公開20周年を記念して開かれたイベントに集ったのは、映画を監督した田口トモロヲさん、原作のみうらじゅんさん、そして主演を務めた峯田和伸さん。

いまでもずっと仲がいいという3人に「あなたがいま苦しいのは、他人と比較してしまうから」とお話しいただいた前編に続き、後編では「好きなことをとことん楽しむ秘訣」を伺います。

――最近、『推し活』という言葉が定着してきています。なかには『推し活』できる対象がいないことが悩みというのも聞きます。『マイブーム』という言葉を提唱されたみうらさんは、どのように感じていますか?

みうらじゅん(以下、みうら):『推し活』って言葉、ちょっと押しつけがましい気がしますけどね(笑)。『マイブーム』は、あくまでマイだから押し付けたりはしませんよ。

「自分らしさって、あくまで他人からの評価だから」(みうらじゅんさん)

田口トモロヲさん(以下、田口):根本は自分推しだからね。

みうら:人に推そうと思うから、また比較が生まれちゃう。勝手に推しているんだから、悩んでどうするんだって思いますよ(笑)。

 

――峯田さんは音楽活動などを通じて、たくさんの人たちから「推されて」いますよね。推される方の立場からはどう感じていますか?

峯田和伸(以下、峯田):みんな、勝手に楽しんで欲しいですよね(笑)。こっちはもう自由に、適当にやるんで。みんなも、適当に楽しんでもらえば一番良いですね。

――自由に、適当にやる。それってとても自分らしいですよね。自分らしさは、どうやれば見つけられますか。


田口:自分らしさってものがないところからスタートして、できることややりたいことをやっていく。それがいつしか自分になっていくんじゃないですかね?