先日最終回を迎えたドラマ『SHUT UP』(テレビ東京系)は、格差や性暴力について描かれた、「今見るべき」作品でした。

「ついていった方が悪い」という自己責任論で片付けてはいけない。ドラマ『SHUT UP』が描いた性的同意、貧困・格差の問題_img0
©️「SHUT UP」製作委員会

同じ学生寮に住む田島由希(仁村紗和)、川田恵(莉子)、工藤しおり(片山友希)、浅井紗奈(渡邉美穂)の4人は、みなそれぞれが親からの仕送りに頼れず、奨学金を借り、バイト漬けになりながら生活をする苦学生。

ある日、恵が妊娠。相手は、恵が所属するインカレのサークルの先輩で、名門大学に通い、大手飲食企業の息子でもある鈴木悠馬(一ノ瀬颯)。恵は悠馬に妊娠の事実を告げますが、悠馬はまともに取り合わないどころか、どうせいろんな男と関係を持っているのだろう、と恵を責めるのでした。この出来事が、4人の運命を大きく変えていきます。

 


望まぬ妊娠…「中絶費用20万円」は耐え難い重み

「ついていった方が悪い」という自己責任論で片付けてはいけない。ドラマ『SHUT UP』が描いた性的同意、貧困・格差の問題_img1
©️「SHUT UP」製作委員会

恵はつわりで体調を崩し、精神的にも追い詰められ、衰弱。中絶ができるタイムリミットも数日後に迫っていますが、中絶費用は20万円。貧しい彼女たちは貯金もありません。そこで由希、しおり、紗奈は、恵の中絶費用を稼ぐためには「パパ活をするしかない」と決心し、実行します。

3人は、「絶対にホテルにはいかない」という約束をしますが、数日で20万円を稼ぐことは容易ではなく、由希はパパ活の相手とホテルに行き、10万円をもらいます。そのおかげで恵は中絶することができたのですが、パパ活の相手が由希とホテルに行くまでの様子を撮影しており、SNSにアップされてしまいます。投稿を削除してもらうためには、弁護士費用が約100万円かかることが分かります。

事情を知った恵は、事の発端となった悠馬にその費用を払わせるべく、100万円強奪の計画を提案。4人は、悠馬の彼女・露木彩(芋生悠)を巻き込み、この計画を実行することになります。