2011年、世紀のロイヤルウェディングの際、自分でメイクをしたことで話題となったキャサリン妃ですが、もちろん通常の公務時にもご自身で。そして、エリザベス女王も実はセルフメイクだったことを知る人は少ないのではないでしょうか。

そういえば、これまで取り上げていなかった、クイーン、プリンセスの皆様のメイクアップ比較。
英国を代表する歴代、トップレディー3世代、4名の方のメイクを比べてみたら、興味深い事実を発見!

王族らしく上品に、派手ではないけれど、でも遠くから見つめる国民にも美しく見えるようにといった相反する条件も考慮しながらのメイク。

おそらく基本となるロイヤルメイクがあるはず、と思って見直してみれば、意外にもバラバラ。皆様、それぞれの顔立ちや個性に合わせてのメイクだったんです。まさに自分流! 年齢を重ねても一生国民の前に出続けるお立場だけに、エリザベス女王、カミラ王妃のメイクも興味深い。実は私は、エリザベス女王メイクを真似たくなりました(笑)。

一見無謀にも思えた、年齢差のあるメイク比較でしたが、共通点もあったりとなかなか面白い結果でした。お楽しみください。


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キャサリン妃「目チカラ命の、グラデーションアイメイク」

2023年10月11日、ノッティンガムの大学を訪問。写真:代表撮影/ロイター/アフロ

まずは一番の若手、キャサリン妃からメイク考察です。
結婚式では、ボビーブラウンのメイクアップアーティストのレッスンを受けつつも、ご自身でメイクをされるほど、実にメイク好きなキャサリン妃。
エリザベス女王から「遠目から見てもお顔がハッキリわかるよう、濃いめに」というアドバイスを受けたことで、メイクを足したとも言われています。その後も、そのお言葉を守り続けるキャサリン妃のメイクは、ナチュラルに見えて、実は濃いめのしっかり&クッキリメイクです。

ブラウンやグレー系のスモーキーカラーのグラデーションで、アイホールから目の際にかけて濃くしていくのが基本。また、アイラインもしっかり上下に入れて、マスカラもたっぷり。元々ハッキリ濃いめのお顔立ちに、目ヂカラをつけたメイクがキャサリン妃の特徴です。

チークは頬骨の高い位置に、ほんのりピンク系をプラスし、健康的でソフトな印象に。仕上げの口紅は、強い目元を生かすべく、ヌーディーなピンク系でバランスをとるのが、ロイヤル流メイクのキーです。

ファッション&メイク好きの皇太子妃だけあって、時代やトレンドに合わせて眉にも変化あり。ご結婚前は細め眉でしたが、現在は眉頭太めで、キリッと眉尻に向けて上がった、皇太子妃らしい凛とした形に落ち着きました。

キャサリン妃のこのアイメイクは、もしやこの方からインスパイアされたのかもと感じる、義理の母、ダイアナ妃メイクを次に紹介します。


ダイアナ妃「目の周りを囲む、目元重視のアイメイクが定番」

1997年7月21日、ロンドンの病院を訪問。写真:ロイター/アフロ

ダイアナ妃のメイクといえば、大きく美しいブルーの瞳を生かすべく、全体的にはナチュラルなメイクでした。

眉はナチュラルな形に整え、アイシャドーも濃い色は使わずに、目のキワのみに少し。最も特徴的なのは、アイライン! 上下にしっかり、目を囲うように入れられたアイラインが定番で、目ヂカラをつけられていました。ときに、瞳と同じブルーのラインを眼の下に入れられることもありました。

チークは、頬骨をシャープに見せるべく入れて、サイドにかけて三角に。頬骨にも入れられているところや、アイライン命のところはキャサリン妃と同じですね。

口紅も、ローズ系の肌馴染みの良いピンク系で、主張しすぎず、肌と相性の良いナチュラル&ヘルシーに見える色を選ばれていました。

特に離婚後、ファッションと同様、メイクもより自然で抜け感のある健康的なものになりました。

エリザベス女王「キラキラ、色なしメイク+口紅がマストアイテム」

2016年9月3日、スコットランドの伝統的イベントを観戦。写真:Shutterstock/アフロ

実は一年のほとんど毎日、メイクをご自分でされていたエリザベス女王。即位当時の20代こそ違いはあれど、後年のメイク法にほぼ変わりはなく、まさに女王ならではの鉄板メイクルールがありました。

目元には、シルバー系のラメ入りシャドーをまぶた全体に入れ、さりげないキラキラ感を。こうすることで色味はなくとも、目元が明るくなります。また、目の下にも同様のシャドーをプラスしてハイライト代わりにも。私たちの印象に残る、明るく優しい目元はこの色で作られていました。

元々太めで濃い眉の女王でしたが、形を変えず、整えるだけでした。そのため、年を重ねてもそのままの形が残り、ナチュラルで若々しい印象に見えていたのでしょう。

そして女王メイクで特徴的なことといえば、口紅とチーク! チークを、なんと頬骨の横、目元の横に入れられていること。それもかなり上の位置にだけ入れられていますね。年を重ねると頬の肉が落ちることもあり、頰に近いところにいれると、“おてもやん”的になってしまいがち。とはいえ、なかなか珍しい位置に入れられています。

そして何より女王のマストアイテムなのが、口紅! 目元を含め、全体的に色味を使わないメイクなので、お顔のポイントとなるのは口紅。品良く赤みがかったローズ系ピンクを必ずおつけになっています。

実は生前、公務中にバッグから口紅を出しては、鏡もご覧にならずにご自身でサクッと塗られるお姿が、時折目撃されてもいるほど、女王にとって口紅は女性の嗜みです。


カミラ王妃「エリザベス女王からインスパイアされた、アイメイクにまつ毛」

2024年1月30日、ウィンザー城で行われたレセプションにて。写真:代表撮影/ロイター/アフロ

最後は、カミラ王妃です。
チャールズ国王が即位をされ王妃となられて以来、どんどん美しく若々しく進化される日々。今回改めて、昨今のメイクを探って見たところ、エリザベス女王との共通点を発見しました。

それがシャドー。エリザベス女王と似た、ラメ入りシャドーをまぶた、そして目の下のかなり広い部分まで入れられています。女王と違うのは、キャサリン妃同様、アイラインとマスカラで目元を強くすること。マツエク、または付けまつ毛? と思しき、目ヂカラが完成しています。

チークも、頬骨からサイドまで広範囲に入れ、明るい印象に。目の周りのハイライトでお顔全体がメリハリの効いたメイクで、これはどう見てもプロの手によるワザ、と推測。肌感もツヤツヤで、まさにメイク力で、どんどん若返るカミラ王妃。くすみや、血色が気になるお年頃の私たちには、意外に参考になるメイク法かも、と思った次第です。


文/にしぐち瑞穂
 

 

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