雅子さまは、海外や国内のお出ましの機会も増え、国民と触れ合う機会も徐々に増えてきています。また、皇室の次代を担う愛子さま、佳子さま、悠仁さまもそれぞれの立場で活動されるようになりました。
皇室を長く担当し取材を続けてきた毎日新聞客員編集委員でジャーナリストの大久保和夫さんに、雅子さまと若きプリンス&プリンセスのこれまでの活動の振り返りと、今年の展望について伺いました。
皇室の三つの慈しみ「慈悲、慈恵、慈愛」を実践
――昨年(令和5年)5月に、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが外出自粛の要請や入院勧告などの厳しい措置ができる2類相当から、季節性インフルエンザと同じ5類に移行しました。人びとが自由に移動できるようになりましたね。
大久保さん:振り返ってみると、天皇陛下が即位されてから約1年半の間、代替わりに伴うさまざまな行事などがあり、ほとんど地方の行幸啓(ぎょうこうけい)ができませんでした。令和3年になって本格的に活動しようという矢先に新型コロナウイルスが日本で初めて確認され、それ以降、両陛下はじめほとんど皇室の方々は国民と直接接する場が大幅に減少しました。昨年は、皇室での動きがコロナ禍前に少しずつ戻りつつある年だったと思います。
令和6年になって、コロナ禍前に復するような皇室の活動が始まり、いよいよ「令和皇室」の本格始動の年、という認識でいました。国民からもそのように期待されていたと思いますが、まさにその年のはじまりの元日に、能登半島地震という大災害が起こったのです。2日に行われる予定だった皇居での新年一般参賀も中止になり、出鼻をくじかれた格好になりました。
震災に続き、翌日には東京・羽田空港で航空機同士の地上衝突事故が起こりました。そんな騒然とした動きの中で令和6年がスタートした訳です。両陛下の当面の最優先課題は、能登半島地震の被災者・被災地に向けてどのようにお心を寄せていくかということになりました。
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