写真/JMPA

春の訪れとともに天皇家の長女、愛子さまは大学を卒業され、4月から日本赤十字社に就職、社会人としての第一歩を踏み出されます。皇族としての公務も今後増えて、海外や国内のお出ましを通じ、多くの人と触れ合う機会も増えていきそうです。

 


皇室を長く担当し取材を続けている毎日新聞客員編集委員でジャーナリストの大久保和夫さんに、愛子さまのこれからとこれまでの活動を振り返っていただきました。

学習院大学に通われる愛子さま。写真/JMPA


いよいよ社会人としてスタートされる愛子さま


――愛子さまは、3月20日に学習院大学の卒業式に臨まれ、その後、初めての単独公務となる神宮(三重県伊勢市)や神武天皇陵(奈良県橿原市)などを参拝されると伝えられています。そして4月から日本赤十字社にお勤めになり、社会人としてスタートを切ることになりました。

大久保さん:そうですね。皇室では、入学や成人、結婚など人生の節目にあたって皇祖神の天照大御神などが祀られている神宮などに報告のために参拝する習慣があり、愛子さまも大学卒業と、日赤への就職にあわせて、神宮に報告のために参拝する予定だと伝えられています。愛子さまは10年前の中学生の時に天皇皇后両陛下とともに神宮と初代天皇の神武天皇陵を参拝されています。学習院女子中等科のセーラー服姿で、やや緊張した表情で参拝されたお姿が印象に残っています。今回はお一人での参拝となり、実質的に初めての単独での公務となります。

令和5年12月1日、22歳のお誕生日を迎えられた愛子さま。写真/宮内庁提供

昭和時代までは、天皇家の女性皇族が就職することはなかったのですが、平成になって、上皇ご夫妻の長女・黒田清子さんが、山階鳥類研究所(千葉県我孫子市)の非常勤の研究員として実質的に就職したのが初めてでした。愛子さまは、じっくりとものごとに取り組まれるのが合っているような気がして、就職ではなく、研究者などの道を選び大学院などへ進学されるのかな、と思っていたものですから、就職の道を選ばれたことには正直、大変驚きました。