――今年も天皇陛下と雅子さまは、海外に行かれるでしょうか。

大久保さん:可能性はあると思いますよ。実はエリザベス女王がご健在のころに、招待されていたのです。その招待は今も継続されていますから、国賓として訪問することになるかもしれません。ただ、チャールズⅢ世国王ががんを公表、ご体調の問題や忙しさもあり、年内の日程調整がむずかしいかもしれませんね。

地方への盛んなお出ましが


――国内へのお出ましはいかがですか。

大久保さん:地方訪問は行われると思います。「四大行幸啓」といわれる、「全国植樹祭」「全国スポーツ大会(2023年までは国民体育大会/国体)」「全国豊かな海づくり大会」「国民文化祭」には、行かれるでしょう。そのほかにも、都内や地方で国際会議などがあったときには、両陛下で行かれ、コロナ禍前と同じような状態に戻っていくと思います。

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2023年、特別国体「燃ゆる感動かごしま国体」にて、総合開会式に出席された天皇陛下と雅子さま。写真/JMPA

――四大行幸啓は、天皇皇后両陛下がご臨席になる催しですね。国土緑化運動の中心となる「全国植樹祭」では、両陛下による苗木の「お手植え」が行われます。地方に旅をすると、立派な木の根元に「天皇陛下お手植え」という札を見かけますね。「ここに両陛下がお出ましになったのね」と親しみを感じます。

昨年は、東日本大震災の被害が大きかった岩手県の陸前高田市や大船渡市、釜石市に行かれ、被災地の方々をお見舞いされました。

水産資源を維持して育み、環境を守る取り組みをする「全国豊かな海づくり大会」では、両陛下による稚魚の「ご放流」が行われます。両陛下は昨年9月に、北海道をご訪問されました。

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「第42回全国豊かな海づくり大会北海道大会」にて、マツカワの稚魚をご放流される天皇陛下と雅子さま。写真/JMPA

10月には国民体育大会のために鹿児島県へ、「国民文化祭及び全国障害者芸術・文化祭」のために石川県に行かれました。そのときにあたたかく迎えてくれた石川県の大災害に心配していらっしゃいましたね。

 

大久保さん:そうですね。陛下は、学生時代に能登半島を巡る旅をし、ご結婚前に雅子さまも能登地方を訪れて思い出深いところであり、国民文化祭でも石川県の伝統芸能などにも触れておられ、被災でお心を痛めていると思います。
また、四大行幸啓などの機会を通じて、それぞれの土地に愛着を持って暮らしている各地の人たちと直接触れ合うことを非常に楽しみにしておられます。
行幸啓を通じて、国民の暮らしぶりを両陛下が直接知り、感じ取るとてもいい機会になっています。