日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをご紹介していきます。
今日ご紹介するのは、母にまつわるモヤモヤエピソードです。
「お母さんには何も価値がない…」
エピソードをお寄せくださったのは、最近お母さんの様子が気になるというクニエさん(38歳・フリーランスライター)。
私の母はシングルマザーで、ずっと猛烈に働いて私を育ててくれました。厳しかったけれども考えが前向きで、手先が器用でいろいろなものを手作りしてくれて……。母には感謝しています。今では私も独立し、実家からは電車で30分くらいのところに住んでいます。
母は現在66歳、今はパートタイムで働きながらのんびり一人暮らしという身の上。住宅ローンも終わっていますし、少しは蓄えがあるようで経済的に困っているわけではありません。体も健康そのものだったのですが、昨年コロナに罹患したことがきっかけで、ちょっと様子がおかしくなってきたように思います。
熱が下がった後も体調が回復せず、結局数ヵ月寝たり起きたりという状態でした。母はそんなに長く体調を崩したことはなく、急に弱気になってしまったようです。
「お母さんはずっと働いてきただけで、何も価値がない」
「私はなんてつまらない人間なんだろう」
「これから死ぬまで、何をして過ごせばいいんだろう。むなしい」
暗い顔をしてこんなことを言うようになって、聞かされる私も困ってしまいます。「変なこと言わないでよ」「そんなことないよ」なんて適当に流しているのですが、母の愚痴は止まりません。先日は、「一人娘のあなたは子どもを産まなかったから、未来にも何も残らない!」と興奮して言ってきたので、大げんかになってしまいました。
私から見れば悠々自適な暮らしなのに、いったい何がそんなに母を暗くさせるのか。優しくしてあげたい気持ちはあるのですがこちらまでブルーになってくるので、最近は電話に出るのも億劫になってしまいます。
コロナうつ?老人性うつ?
60代のお母さんの気分の落ち込み、心配ですね。クニエさんにとっては、ずっとバリバリ働いてきた頼りになるお母さん。「あんなに元気だったのに、どうしちゃったんだろう」とモヤモヤしてしまう気持ち、想像できるような気がします。
66歳という年齢、仕事も子育てもひと段落して一人になったこと、コロナにかかったことで体力の低下を実感したこと……。お母さんの気持ちが落ち込んでしまった原因はどこかにあるのかもしれませんし、いくつかの原因が積み重なったことがきっかけかもしれません。でも今は、「どうしてそんな風になっちゃったの?」と問い詰めたり、考えすぎたりしなくてもいいのではないでしょうか。
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