「お金を使う→感謝される」が「幸せ」になっている?


HITOMIさん、こんにちは。お義母様のお金の使い方に関するお悩みを拝見して、HITOMIさんが不安になるのも無理はないと感じます。お義父様が残した遺産などの1億円を10年間で使い切り、生命保険の引き出し機能を使い50万円の葬儀代も使い切る。何より、お義母様が持ち家でローンがないにもかかわらず、年金15万円ではやりくりできず、HITOMIさん夫妻が毎月7万円の光熱費、5万円の生活費を援助している……。HITOMIさんが「自分の老後が心配になる」のは、いたって正常な感覚です。

そして気になるのが、お義母様のお金の使い道です。お友達への食事代やプレゼント、孫へのお小遣い、化粧品を買ってHITOMIさんたちにも分けてくださるなど、「お金を使って人に感謝される」ことが、ご自身の愛情や幸せを埋める手段になっているように感じるのです。53歳という若さで旦那様を亡くされた喪失感は、筆舌に尽くしがたい経験だったことでしょう。子は巣立ち、日常で「ありがとう」と言い合えるはずの旦那様も失い、お義母様の心には一人では埋め難い大きな穴が空いてしまったことも想像できます。

しかしながら、10年以上にわたり歯止めが効かないままのお義母様を今なんとかしないと、HITOMIさん夫婦もこれから歳をとっていく中で、老後の生活に暗雲が立ち込める可能性もあるかもしれません。お義母様の浪費癖が今後さらにエスカレートしないとも限りません。

 


過剰な資金援助で「自立心」まで奪っていないか


決して安くないお義母様の光熱費と生活費を毎月ご負担できるくらい、HITOMIさんご夫婦の収入は安定されているのでしょう。特に旦那様が何も対処されないということは、「これからも自分は稼いでいける」という自信もおありなのかもしれません。それに加え、旦那様は一人暮らしのお義母様に対して、「お金さえ払っておけば直接的な面倒を見なくていい」というある種の“逃げ道”を作っているとも考えられます。

ご家庭ごとに両親のサポートの仕方はそれぞれですから、「お金で解決する」のも当然考え方の一つです。しかし、HITOMIさん夫婦の資金援助が手厚すぎるがゆえに、お義母様は生活費のやりくりに意識が向かず、労働にも意欲を示されないのではないでしょうか。家賃もかからない、光熱費も生活費も援助してもらえるとなれば、「時給1000円程度の仕事なんてしなくていいじゃない?」とお義母様が考えてもおかしくありません。現状、生きるにも食べるにも困らないのですから。そもそも本当にお金に困っていれば、仕事を2週間で辞めることを繰り返すなんて無責任な行動はしないはずです。