19歳で初めての妊娠・出産、長男をJリーガーとして育て上げ、次男、長女の海外留学や次男の起業など、それぞれがやりたいことを全力で後押し。現在はドバイに移住し、4人目の子育てに励む、モデルのMALIA.こと新保真里有さん。4度の結婚・離婚という華やかな経歴から、これまでは“恋多き女性”という部分ばかりが取り沙汰されてきましたが、その陰にはシングルマザーとしての多くの苦労や苦悩があったといいます。
そんなMALIA.さんが、この度、「母」として生きてきた21年間の中での気付きをまとめた『育児育自論』を出版。「何が起こっても、私はずっと『母』だった」―激動の人生の中で、彼女がどう考え、どのように子どもと接してきたのか。また、子どもを育てるために必死で取り組んできたという美容事業についても、お話をお伺いしました。
新保真里有(MALIA.)
モデル/経営者。1983年に神奈川県で生まれ、15歳でモデルデビュー。以後、多くの女性誌で活躍。カナダ留学を経て、19歳で結婚し、長男・海鈴さんを出産。その後、2人目の夫との間に次男・愛郁さん、長女・ありあさんを授かる。2009年に「Anela Inc.」を設立し、ブラジリアンワックスやアパレル、コスメなど幅広く事業を展開。現在はアラブ首長国連邦のドバイで生活し、三男・海緒くんの子育ての傍ら、経営者として手腕を振るう。昨年末、長男夫婦に第一子が生まれ、40歳にして祖母に。自身の子育てを振り返った『こどもも自分も一緒に幸せになる 育児育自論』(3月15日発売)1760円/A-Works
Instagram @maliarehman
3人の幼子を連れ離婚。明日が見えない中で「美容」に望みを託す
4度の出産を経て40代になっても、その圧倒的な美貌と華やかなオーラは健在。ティーンの頃からのパワフルで明るい女性というイメージは変わらないものの、そこに迷いのない清々しさが加わったように見えるMALIA.さん。今でこそ書籍として残せるほどに、過去を明るく振り返ることができるようになりましたが、二度目の離婚をし、3人の小さい子どもを連れて家を出たときは、定収入もなく、まさに明日のこともわからないような状況に。人生で一番のどん底期を迎え、そこから抜け出すために毎日頭を悩ませていたといいます。
「それまでと同じように、いつも笑っていたから、周りからはそれほど大変には見えなかったと思うけれど、あの頃は金銭的にめちゃくちゃ追い詰められていましたね。この先どうしよう……と考えだしたら、夜も眠れないくらいでした。このままじゃいけないと一念発起して、会社を起業することに。アパレル事業と並行して、まだ知名度が低かったブラジリアンワックスのサロンを開業しました」
モデルの仕事しかしたことがないMALIA.さんにとって、初めての起業はうまくいかないことだらけ。それでも、なんとか気合いで続ける毎日が続きます。
「私は、自分の経験を生かしたことしかできないので、美容やファッションを扱うのは必然的なことでした。今でこそ、デリケートゾーンのケアは広く知られているけれど、当時の反応は、ブラジリアンワックスって何? すべて取っちゃって本当に大丈夫? という感じで(笑)。予約の電話も全然鳴らないし、相変わらずお金の心配ばかりしていましたね。それでも、少しずつですがお客様や扱う商品が増え、会社の規模も拡大。設立から早14年が経ち、現在はホールディングス化するほどに成長しました。私の大好きなボディコン服は、時の流れとともに着る人が減り、売れなくなってしまったんですが、今は美容系アパレルと、スキンケアやコスメが好調。骨盤矯正のレギンスや、シートマスクなどが売れています」
MALIA.さんがプロデュースする商品の強みは、すべてMALIA.さんの経験を通して作られていること。その“良さ”を、彼女自身の言葉で語れるところにあります。
「例えば、この『FLEYJA.』のシートマスクは、シート自体にも美容成分にもとことんこだわった上で、思い切って大量生産することで、コストを抑えています。朝晩使っても、コーヒー1杯をカフェで飲むのと同じくらいの値段なので、自分に投資するお金があまりないお母さんたちにも、使い続けてもらえるんです。また、着けたまま家事をしたり、子どもをお世話したりできるよう、肌に密着するシートを採用し、液だれしない工夫も。時間的にも金銭的にも余裕がない苦しい時代があったからこそ、知恵を絞ってこういう商品が生まれた。経験から生まれるものは強いと思います」
一昨年には、プロデュース商品のビジュアル撮影に、2人の子どもたちが参加。その美形ぶりも話題に。次男の愛郁さんは、現在ニューヨークのパーソンズ美術大学に通いながら、アパレル事業を展開する起業家としての一面も。MALIA.さんも「次男が私に一番似ている」と話す通り、母の背中を追って、経営者として研鑽を積む毎日を送っています。また、長女のありあさんは、カナダ留学を経て、今はMALIA.さんとともにドバイに暮らし、現地の学校に通っているそう。
「親目線だと、ついああしてほしい、こうなってほしいと気持ちを押し付けてしまいがちだけれど、成長していく中で、いつかその子のやりたいことが見つかればオッケー。自分で見つけるということが、素晴らしいと思うんです。我が家の長男のように、小さい頃からサッカー選手になるという目標がはっきりしている子もいれば、なかなか見つからない子もいるのは当たり前。まずは、見つからない、できないということを受け入れ、尊重してあげる。その上で、親子で一緒に答えを探してみるのがいいんじゃないかなと。一番大切なのは、“親が自分と向き合ってくれている”という安心感を、子どもに抱いてもらえること。これも、私が4人の子育てをする上で、教えてもらった大事なことのひとつです」
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