秀和レジデンスシリーズの外観(編集部撮影)。

憧れの秀和レジデンスへの実らぬ恋を募らせること1年半。申し込みをしては、最後にライバルにかっさらわれるという『やまとなでしこ』の東幹久みたいな日々を送っていた僕でしたが、ついにそのときがやってきました。

 


その日も、いつものようにSUUMOで物件チェック。すると、秀和レジデンスの新着物件が。アドレスは山手線の内側。5駅7路線が使える好立地です。

販売価格は2300万円。築年数は50年を超えていましたが、秀和レジデンスのほとんどが1960〜70年代に建てられたものなのでノープロブレム。広さも35㎡とひとりで暮らすにはちょうどいいサイズ。気になる管理費&修繕積立金も合計で15000円を少し出るくらいと築年数から考えるとリーズナブルです。

早速内見を申し込み、物件の状況をチェック。数年前に大規模修繕工事が行われており、外観は古さを感じさせません。所有者がタッチできない玄関ドアやサッシも数年前に交換されたばかりで、好印象。エントランスや廊下は隅々まで丁寧に清掃されており、管理状態はバッチリでした。屋根付き駐輪場や専用のゴミ置き場など、あるとうれしい設備も整っています。

 
内見時の写真(著者撮影)。

難点を挙げるとすれば、ベランダに出ると向かいのマンションと顔を見合わせることになるくらい。とはいえ、優に10mは離れているので圧迫感はありません。秀和レジデンスはベランダに洗濯物を干すことが禁止されているので、そもそもベランダを使うこと自体少なさそうだし、ずっとカーテンを開けっぱなしにしているシチュエーションも自分の生活スタイル的にあまりないので、眺望についてはさほど問題には感じず。

むしろ周辺に教育機関や歴史的建築物が多いため、今後、数十年にわたって環境が大きく変化することがないであろう安心感のほうがよっぽどメリットに思えました。

また、秀和レジデンスのデメリットとして規約が厳しいとよく噂されますが、この物件に関しては特にそこまでナーバスなことはなく。バランス釜以外は使えないとか、友人を泊めたら宿泊費を払えとか、そんな独裁政権はどこ吹く風。なんなら特徴的な物件だけあって、美意識の高い住民が多い印象で、それがまた物件全体の清潔感を底上げしているようでした。

ということで、何度目かの申し込みを。もはや申込書も書き慣れたものです。これまで何度となく他の買い手に奪われていたので、このときも気持ちとしては、どうせまた通らないんだろうな〜とやや投げっぱち。でも、いつもと比べると、なんだか今日はいけそうな気がする〜という天津木村みたいな期待もなきにしもあらずでした。

ひとまず申し込みの返事を待ちながら、ローンの仮審査を進めます。第2回で書いた通り、フリーランスという立場上、選べるローンは限られている。しかも、僕の申し込んだ物件は土地の権利が駐車場と建物で分かれているため、なおのことローンが下りづらい。結果、なんとか1行だけ融資が認められ、首の皮一枚つながった形で売り主からの返事を待つこととなりました。

 
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