手話を一つの言語として使いこなす
—— さまざまなシーンで手話を使われていますね。
大久保さん:佳子さまは、手話についてご自分の世界を築きつつあるように思います。全日本ろうあ連盟の非常勤嘱託職員をされて、日常的に使っていらっしゃるということもあると思いますが、今や手話を完全にご自分のものにしブラッシュアップされています。
式典でのお言葉は、以前は手話と言葉を交えながら話されていましたが、最近は、はじめこそ手話とお言葉で語りかけますが、その後は、手話通訳者に訳して伝えてもらい、ご自身は手話だけで挨拶されます。そのようにされるようになったのは昨年からです。佳子さまは「手話は言葉の補足ではなく、一つの言語である」という捉え方をしており、そのことを多くの人たちに伝え、広めたいという気持ちがあって、こういったコミュニケーションの取り方に変えられたのだと思いますね。
ペルーで佳子さまがされたのもスペイン語の手話ではなく、あくまでペルーの現地手話なんです。だから、スペインでは通じません。佳子さまは「一つの言語として確立しているものがその国の手話である」という捉え方をされています。そこはかなりしっかりしたお考えがあり、自らそうした考えを実践を通じて、多くの人に「手話とは何か?」を考えてもらう機会を作られようとしているように思います。
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