悠仁さまは大学進学を控え、好きなご研究を続けられて
—— 佳子さまの弟の悠仁さまは、昨年7月29日から鹿児島県で行われた全国高校総合文化祭「2023かごしま総文」に、初めての地方公務として臨まれました。今年、9月6日のお誕生日を迎えられると18歳となり、成年になられます。また来年の4月には大学の進学を控えています。
大久保さん:現在、筑波大学附属高等学校2年に在学中で、来春には大学に進学されますので、まだ学業の真っ最中ということで、静かに見守ってあげたいですね。ご自身が作った田んぼでイネの遺伝的研究や赤坂御用地や皇居内でトンボ類の生息環境調査をされ、ビオトープを作ったりするなど、広い意味での生物学と環境に関する分野に強い関心をお持ちのようです。
イネの研究では、中学生のころから交配実験を行ったイネの経過を観察されているんですよ。昨年8月の夏休みには、茨城県つくば市のイネの遺伝子などを研究している機関を訪問し、専門家から直接話を聞かれています。高校生にしては、相当程度の深い研究を続けています。
天皇陛下は、今年の誕生日に伴う記者会見で、「皇位継承順位2位である悠仁さまへの期待」を尋ねられ、トンボや野菜の栽培、学校のバドミントン部の活動について「生き生きと話してくれます」と悠仁さまの日常の一端を紹介されました。学園生活などについては、学校との関係もありなかなか私たちには伝わってきていないのですが、将来天皇になる方なので、国民に悠仁さまのお人柄などがよく伝わるように宮内庁も工夫をして欲しいですね。
—— 皇族の方々は、さまざまな分野で研究を続けられている方が多いですね。
大久保さん:ええ、例えば、昭和天皇は、変形菌類や植物などを、上皇さまは長年ハゼの研究をされ、研究論文を何本も書かれていますし、天皇陛下は水について研究され、国連でも講演しています。秋篠宮さまも自然科学と人文科学が交わる領域で幅広く研究し、博士号も取得されています。
いずれもお忙しいにもかかわらず、素人の研究ではなく、学会でも評価される本格的な研究をされています。こうした皇室で引き継がれている学問の流れを悠仁さまも受け継がれていると思われ、ぞんぶんに研究が続けられるような環境でいられるといいですね。
—— お好きなことがあるのは幸せです。好きを伸ばす方向に進まれるといいですね。
大久保さん:おっしゃるとおりで、いまは大学進学に関しても各大学でさまざまな選抜の方法ありますので、悠仁さまの希望に添うような形で進学できるといいですね。
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●大久保和夫(おおくぼ・かずお)
毎日新聞客員編集委員。長年、宮内庁担当記者を続け、皇室を通して日本と日本人について考えることを大きなテーマにしながら、ジャーナリストとして活動している。
●聞き手
高木香織(たかぎ・かおり)
出版社勤務を経て編集・文筆業。皇室や王室の本を多く手掛ける。書籍の編集・編集協力に『美智子さま マナーとお言葉の流儀』『美智子さまから眞子さま佳子さまへ プリンセスの育て方』(ともにこう書房)、『美智子さまに学ぶエレガンス』(学研プラス)、『美智子さま あの日あのとき』、『日めくり31日カレンダー 永遠に伝えたい美智子さまのお心』『ローマ法王の言葉』(すべて講談社)、『美智子さま いのちの旅―未来へー』(講談社ビーシー/講談社)など。著書に『後期高齢者医療がよくわかる』(共著/リヨン社)、『ママが守る! 家庭の新型インフルエンザ対策』(講談社)。
キャプションは過去の資料をあたり、敬称・名称・地名・施設名・大会名・催し物名など、その当時のものを使用しています。
バナー写真/JMPA
構成・文/高木香織
編集/立原由華里
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