「人と会うと疲れる」という人は意外といます。「もしかして私は人見知りなのではないか」「人嫌いかもしれない」などと考える人も少なくないもの。
人付き合いに疲れてしまうのは、「自分に何か問題があるのが原因なのではないか」と思ったとき、どうしたらいいのでしょうか。

 


人と会って疲れるのは、当たり前のこと

 

人と会うと疲れるのは、ある意味、当たり前のことです。なぜなら、どんなに親しい相手であっても、それなりに気を遣いますしね。
「親しき仲にも礼儀あり」というように、家族が相手でも気遣ったほうがいいことはあるし、どんなに仲良しでも、何もかも価値観や好みが一致している人はいないので、お互いに合わせたり、折り合いを付けたりしなくてはいけないことも出てきます。

それがそれほど親しくない相手の場合は、尚更です。お互いに相手のことをよく分かっていないので、「どんな人なのか」「共通の話題は何なのか」「どんなことに喜ぶのか」「何をすると怒るのか」などを探りながら会話を進めることもあります。
本音で話すよりも、ちょっと表面的な当たり障りのない会話をしておいたほうが無難ですが、そういう会話は基本、つまらないもの。さらに、「どこまで本音を言っちゃっていいかな」なんて考えながらコミュニケーションをとっていると、頭の中では色々な計算をしている状態なので、疲れるのは当然なのです。

だから、人と会って疲れてしまう人は、「自分は、人見知りか人嫌いなのか」なんて自己を卑下する必要はなく、それは相手とうまく関係を築いていくための「優しさ」でもあるのだと、もっと自分を肯定したほうがいいでしょう。
 

気を遣いすぎる人は、問題があることも


ただし、気を遣うのは当然とはいっても、限度はあります。あまりにも自己の欲求をおさえすぎて、相手に合わせてばかりいると、ストレスが溜まります。
相手を優先しすぎる人は、もう少し自分を大切にしたほうがいい。それは、人嫌いとか人見知りという話ではなく、「自分が自己を上手にフォローできていないから、疲れている」だけのことです。
「人付き合い」より、「自分との付き合い」のほうに問題があると言えるでしょう。

さらに、人によっては、相手に自分を等身大以上に素敵に見せようとする人もいます。そういう人は、とりつくろったり、魅力ある人物を演じたりしなくてはいけなくなるので、余計なエネルギーが必要となり、疲れます。
誇張や虚飾するのは、「等身大の自分はダメな人間だ」というコンプレックスからきていることも考えられます。この場合も、自己の内面から変えていく必要があるのです。

結局、人付き合いをうまくいかせるためにまず大切なのは、「自分との関係を良好にする」ことです。「自分をきちんと受け止めているのか」が、人間関係に大きく響いてくるからです。
たとえば、自分が自己を認めていないと、自信を持って人と関わることができなくなるので、「ごまかし」が増えてしまい、疲労が大きくなってきます。

逆を言えば、「自分との関係」がうまくいっている人は、自分に合わない人がいても、あっさり「仕方ない」と割り切れることが多いです。
どっちが正しい、間違っているという問題ではなく、「そういう相手とは相性がよくないのだから、無理して付き合う必要がない」と考えるので、基本、一緒にいて不愉快になる相手とは距離を保ちます。だから、必要以上に人間関係に疲れることはないのです。

実は、「人付き合いで全く疲れない」という人のほうが、問題があることもあります。それについては、次のページで紹介します。