子どもは、親の“せっかくだからお勉強”スイッチに敏感(笑)


――青木さんの著書『3歳からの子育て歳時記』には、子どもと一緒に有意義な時間を過ごすための多彩なアイデアが実体験ベースで紹介されています。休日の“ネタ不足”で頭を抱える多くの親が求めている一冊だと思いました。

青木裕子さん(以下、青木):もともと出産前の私は休日にダラダラしがちなタイプでした。でも子どもが産まれてからは、親子で一緒に楽しめる過ごし方を先輩ママたちにたくさん教えてもらったおかげで、暇を持て余すことがなくなってきたんです。そのアイデアを皆さんにシェアさせていただくことが今回の書籍の目標だったので、ぜひママ友を増やすような感覚で手に取ってください(笑)。子どもが“体験からの学び”を得られるようなアイデアを12ヵ月分詰め込んだだけでなく、小学校・中学校受験や探求学習のプロからのアドバイスも収録されています。子どもの教育について幅広い視点の情報が盛り込まれた本になったと思います。

青木裕子「気合いが空回りして靭帯を痛めたことも」小学校受験で親として気づいた“体験”の重要性_img0
 

――例えば4月は「家庭菜園」、5月は「手作りに柏餅」などが紹介されており、気軽に試せるアイデアが多い印象です。時間やお金をたくさん使わなくても子どもに貴重な体験をさせてあげられることを証明していますよね。

青木:ありがとうございます。猛暑日に無理して外出しなきゃいけないわけでもなく、家の中でできることも意外とたくさんあるんですよね。小学校受験を支援する『コノユメ』を主催する大原英子先生も、体験そのものの希少性にこだわるよりも、その体験を通して家族でたくさん会話をすることが大切だと語られています。せっかく家族揃って旅行に言っても、道中でのコミュニケーションが不足していたら子どもの学びにはつながりにくいのかもしれないですね。
 

 


――親子の会話において、上手く子どもの学びをサポートできる“魔法のコトバ”みたいなものがあったりするのでしょうか?

青木:「葉っぱの色が違うね」といった気づきや疑問を共有するだけでも、子どもたちの視野が広がって、探究心に火がつくケースがあるようです。ただ、私の経験上、何をする場合でも、子どもの成長を期待しすぎると上手くいかないことが多いです。子どもは親の“せっかくだからお勉強”スイッチに敏感ですからね(笑)。私もまだまだ修行中ですが、自分主導で学びを深めようとするのではなく、なるべく子どもが自分から何かを発信するまで待ちたいと思っています。