『虎に翼』の脚本家・吉田恵里香さんは、昨年放送のドラマ『生理のおじさんとその娘』(NHK総合)で、“生理のある人とない人のコミュニケーション”を題材としたドラマを執筆しています。

『虎に翼』の生理の描写で気づいた、自分の「偏った先入観」。女性の身体の現実を正面から描く作品たちに、しんどい気持ちが軽くなる!_img0
『生理のおじさんとその娘』(NHK総合) NHKオンデマンド、Prime Video、U-NEXTにて配信中

こちらの主人公は、生理用品メーカーの広報マン・光橋幸男(原田泰造)。生理の理解を訴える動画がバズったことで、“生理のおじさん”と呼ばれることになるのですが、「娘の生理周期を把握している」と発言したことで大炎上。娘の花(上坂樹里)は、“生理のおじさんの娘”とからかわれるようになってしまいます。従来のように、生理をタブー視するのも問題だけれど、オープンにしすぎたらどうなってしまうのか? まさに、時代の一歩先をいく物語でした。

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『生理ちゃん』PrimeVideo、AppleTV+、FODプレミアムにて配信中

また、女性の生理をポップに擬人化し、共感を呼んだ短編コミック『生理ちゃん』の実写化映画も、かなり面白かったです。主演は、二階堂ふみさん。観終えたあと、ちょっぴり心が軽くなる作品です。いつもは生理が来たら「はぁ、また始まった」という感じなのですが、頭のなかに“生理ちゃん”を思い浮かべると「よし、今月も一緒にがんばろっか」と声をかけてあげたい気分になる。

人生のうち、およそ6年9ヵ月は生理期間と言われているし、どうせなら仲良く過ごしていきたいですよね。生理がキャラ化しているおかげでエンタメとしても楽しむことができるので、パートナーと一緒に観るのもいいかもしれません。

そして、2月に公開した映画『夜明けのすべて』では、PMS(月経前症候群)を取り上げています。PMSというワードは知っているし、友人と「これってPMSだよね?」などと話をすることはありますが、この映画の主人公・藤沢さん(上白石萌音)ほど重い症状は、聞いたことがなかった。同じ病名でも、人それぞれ症状は異なるんですよね。相手のすべてを分かった気になってはいけないし、しんどさのすべてを理解してあげることはできない。でも、ちょっと寄り添ってあげることはできる。『夜明けのすべて』は、PMSだけでなく、さまざまな理由で生きづらさを抱えている人に刺さる映画です。
 

 


そのほかにも、2022年にドラマ化もされたコミック『メンタル強め美女白川さん』(KADOKAWA)では、PMS期間をポジティブに過ごすための方法が描かれていて、とても参考になりました。以前、コラムに綴っているので、ぜひチェックしてみてください!
 

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前回記事「まだ間に合う!初回好評『アンチヒーロー』の魅力を解説。長谷川博己の“よさ”が炸裂、「謎だらけなのに応援したくなる」ヒーロー像」はこちら>>

 
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