大学を卒業され、お出ましの機会が増えている愛子さま。3月には伊勢神宮と神武天皇陵をお一人で参拝されました。神宮は白、神武天皇陵は薄墨色(うすずみいろ)の参拝服をご着用でした。そのお姿を見て、思わす雅子さまや美智子さまを思いうかべた方も多いのではないでしょうか。
ブリムをしっかり上げたセーラーハットは、雅子さまがお好きなお帽子。そして、ふわりと揺れるケープドレスは美智子さまならではのスタイルです。これらの装いからは、愛子さまがお母さまとおばあさまのご活動を正統に受け継がれていこうとされる姿勢が感じられます。
格式高くエレガントに――。愛子さまが、雅子さまと美智子さまから受け継がれた装いの見どころとは? 何を受け継がれていこうとされているのでしょう。皇室ファッションに詳しいファッション評論家の石原裕子さんに、装いから感じられる愛子さまの想いを伺いました。
雅子さまのお好きなセーラーハットの見事な着こなし
――愛子さまは伊勢の神宮へは、白い参拝服をお召しでした。
石原裕子さん(以下、石原さん):絹の光沢が美しく、限りなく白に近い生成りの参拝服でしたね。柔らかな輝きが、ほんとうに品がありました。美智子さま譲りの色白なお肌にとてもよくお似合いです。
シンプルかつ研ぎ澄まされたデザインで、ハイウエストの切りかえから下がパーッと広がって、端正でまぶしいばかりの美しさでした。
――オフホワイトの参拝服にきらりと光るアクセサリーが目を引きました。
石原さん:ラウンドネックにきれいにそったパールのネックレスと小さなブローチをつけていらっしゃいました。何度もつけていらっしゃる、お気に入りのものですね。まだお若いので、大きさを1ランク下げた小ぶりなものをお選びなのが、控え目で好感を持てました。
――お帽子が雅子さまを彷彿とさせました。
石原さん:セーラーハットは、雅子さまのお好みのお帽子です。編み込んだシニヨンの髪の上に深くかぶっていらっしゃいました。お帽子はクラウンにブリムをぴったりとそわせてリボンを共布で二重にし、襞のようにして後ろで結んでちらっと見せていて、後姿が美しく見えるように作られています。それにしても、愛子さまはほんとうに襟足がおきれいですね。
愛子さまは、お母さまのお好みのお帽子を受け継がれていらっしゃいます。雅子さまがお若いときにご病気でお悩みだったのをしっかりご覧になっていて、お母さまの力になりたいと思われたのでしょう。大学卒業後は留学するという道もあったと思いますが、就職をお選びになりました。「私がお母さまのおそばにいて、お支えします」というお心なのでしょう。
愛子さまは、国民が愛子さまに期待している服をお召しになります。清楚ななかにも、威厳と風格がおありです。
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