日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをご紹介していきます。
今日ご紹介するのは、家族の口癖にまつわるモヤモヤエピソードです。
「いざとなれば俺がガツンと言ってやるから!」
エピソードをお寄せくださったのは、ご主人と息子さんと三人暮らしをしているマツコさん(50歳・パート職員)。
夫の口癖というか性格に、もういい加減ウンザリしています。
息子が学校で先生や同級生ともめたり、ご近所でささいなもめごとがあったり、買い物をしていて店員さんと行き違いがあったり……。日常的なトラブルが起こると、短気な夫はすぐ「なんだそれは!」といきり立って、「俺が直接ガツンと言ってやる!」と息巻きます。
しかし、実際に言ってくれたことはありません。本当に「ゼロ」なんです。「俺が出て行けばすぐ解決できるんだろうが、まぁ本当に困ったら言え」って感じで、口ばっかり威勢がいい人なんです。単なるかっこつけ。いつも私が気を遣って立ち回って、問題を解決してきました。
実際問題、怒りっぽくて言葉足らずな夫が出て行っても、ただ問題が大きくなるだけでしょう。夫にコミュニケーション能力というか、人たらしの能力が無いのは妻の私が一番分かっています。
亡くなった義母も、「あの子は長男でちょっと偉そうよね。お父さん(義父)に似たのよ……」と言っていました。今では、大学生の息子も「お父さんってほんと口ばっかりだよね」と。
周りの人にそんなことを言われているとも知らず、先日も「部下が使えなくて困る。客を怒らせて帰ってきた。俺が出て行かないといけなくなりそうだ」なんて言っていました。会社でも家庭と同じことをしてるんじゃないかと思うとぞっとします。
「口だけの人」のトリセツ
「口だけの人」は、虚勢を張っているだけなのか、本人の自覚なく「口だけ」になってしまっているのか、真実は闇の中……。実際に手も足も口も動かして問題解決をしているマツコさん、本当にお疲れ様です。
「口だけ」の度合いにもよりますが、割り切った言い方をしてしまえば、微笑ましい人って感じもあります。本当にいざとなれば助けてくれるのかもしれないし、「俺にはできない」「分からない」と泣き言を言って隠れてしまう人よりは妻に寄り添ってくれているのかな、と。
ただマツコさんのように、「実際に助けてくれたことがない」「その人が“口だけ”なせいで、自分が大変な思いをしている」場合は「微笑ましい」なんて言っていられないですよね。
てっとり早い荒治療は、「口だけではないことを証明させること」。とにかく一度、打席に出てみては? ということですね。
次に「いざとなれば俺が言ってやる」が発動されたら、間髪入れず「ぜひお願い!」と返してみましょう。実際にご主人が出て行って問題が解決したらありがたいですし、マツコさんのご主人を見る目も変わるでしょう。
もちろん、マツコさんの予想通りご主人が出て行ったせいで問題が余計こじれる可能性もあります。結局マツコさんがフォローしなければならなくなるわけですが、そうなったら「私がフォローしてあげたよ」ということをしっかりアピールしてください。
自分が出て行ってトラブルを解決できず事態を悪化させ、しりぬぐいをマツコさんにしてもらった……そんな経験をしたら、さすがの「口だけ」も和らぐのではないでしょうか。
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