それ以外にも、「例えば、熊本県に台湾の半導体企業が誘致されたことにより、工場で働く人はもちろん、その周辺での求人も増加傾向にあります。人の移動も増え、交通網も整備されるなど、求人が増加することで環境変化にも大きく影響しています」(斉藤さん)

なるほど。1つの大手企業や工場が誘致されることにより、その周りの環境や求人状況も大きく変化があるんですね。これは、移住先、UターンやIターンを検討するときの参考にできそうです。

 

人手不足だから現地もあれこれ工夫! 地方でも柔軟な働き方はできる

仕事さえあればどこでも暮らせる! 移住先での働き方&稼ぎ方をプロが解説_img0
 

また、パソナの全国営業本部で推進企画を担当する嵩(かさみ)泰明さんによると「九州のみならず、日本全国どの業界も、どの職種も人手不足が顕著。そのため、地方の働き方も多様化していて、副業での募集も今すごく増えています。

地方の場合、いきなり移住して、働いてもらうのはハードルが高い。そこで、一部業務を切り出してトライアルで体験した上で『ここの働き方がとてもおもしろいね』とか、『地方ってこういういいところがあるね』と実感してもらってから、移住を促進しています」とのこと。

ロケーションフリーやフルリモートで地方企業で働いてもらって、関係人口を増やしていこうという取り組みの一環のようですが、人材確保に本気で乗り出している感があります。

今、経済産業省でJ-Startupというスタートアップ企業の支援をするプロジェクトを立ち上げていて、地方各地でスタートアップ企業の誘致が進んでいるんだとか。

「スタートアップ企業を誘致して、上場企業を地方からどんどん輩出しようという取り組みがとても活発です。そのため、業務を切り出してのJOB型雇用など、さまざまな働き方が乱立しています。求人件数はもともと首都圏が多いので、数字だけで見ると地方は見劣りするかもしれませんが、地方でも柔軟な働き方ができます」(嵩さん)

ちなみに、パソナグループでも、「旅するように『はたらく』」をテーマにした「JOB HUB LOCAL(ジョブハブローカル)」を2019年から展開したり、期限付きで地方病院で勤務するトラベルナースを派遣事業として行ったりするなど、確実に地方で働く選択肢が増えているそう。

たしかに、どれもかなり柔軟。しかも、ちょっとしたお試しができるのもうれしいところ。

でも、それって一部の先進的な企業だけで、やっぱり地方には旧態然とした企業も少なくないのでは!? と思ってしまうのは偏見でしょうか?

「地方の企業って、横のつながりがかなり強いんです。そのため、副業を取り入れた会社があると、『うちもやってみようかな』と追随する傾向があります」(嵩さん)

なるほど。それも地方ならでは。他の成功事例を取り入れたり、真似したりして、広がっていくイメージですね。