日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをご紹介していきます。
今日ご紹介するのは、夫婦の役割分担についてのモヤモヤエピソードです。
「仕事は楽できて主夫やるなんて最高だね~」
エピソードをお寄せくださったのは、夫婦共働きで息子さんを育てているというアケミさん(42歳・会社員)。
2年前、典型的なモーレツ社員だった夫が閑職に左遷されました。
理由は今でもよく分からず、部の業績不振を管理職だった夫が責任をとらされたとか、役員や部長とそりが合わなかったせいなのか……。当時の夫の落ち込みっぷりは、正直見ていられないほどでした。
当時はちょうど、一人息子が中学受験を控えていた時期。思春期を迎えた息子は精神状態も不安定で……。夫は息子と仲がよく、仕事から早く帰れるようになってからは二人でいろんな話をしていたようです。結果、息子は前向きに受験勉強に取り組めるように。
夫は、「せっかく仕事もヒマになったし、俺が家のことをもっとやるよ」と言ってくれました。もともと器用な人で家事もそつなくこなし、息子の扱いも私より得意。料理と洗濯、息子の学校周りは夫の担当になり、私は週末に掃除と買い出しを担当。
夫は外でも「僕が主夫をやることになりました」と公言するようになり、我が家はこの形でうまくいっていると思っていました。
しかし先日、私の実家に遊びに行ったときのこと。父が「●君はいいね。仕事は楽できて主夫なんて最高じゃない」と夫をからかったんです。父は典型的な昭和のサラリーマンで、家事の大変さなんてまったく理解していない男。「デリカシーないな」と思いましたが夫が笑ってスルーしてくれたので、私からは特につっこまず。
その帰り道、夫が急に「俺には不満がないとでも思っているのか?」と言い出しました。そして堰を切ったように溜め込んだ不満をぶちまけ、最後には「俺の気持ちなんて誰も分かってくれないんだろうな」と。
あっけにとられてしまった私はろくにフォローもできず、その後も家庭内では気まずい空気が流れています。
家族が攻撃されたら…「即フォロー」はマスト
主夫になって2年。自分で決めたこととはいえ、ご主人もモヤモヤを溜め込んでしまっていたんですね。義父の軽はずみな一言で、抑え込んでいた気持ちが吹き出してしまったのかもしれません。
少し厳しいことを言うと、アケミさんのお父さんがデリカシーのない発言をしたときに「お父さん、変なこと言わないで」とすぐ制止すべきだったと思います。ご主人にとっては義理の家族ですし、空気を読んでスルーするしかなかったのかもしれません。でも、会社で冷遇されたことをきっかけに家事の多くを担うようになったという経緯を考えると、今のご主人にはあまりに酷な一言でしたよね。
ご主人からしてみたら、いろいろな思いを飲み込んで日々家族を支えているのに、それを踏みにじられたような気持になったのではないでしょうか。そしてもしかしたら、その場ですぐにフォローしてくれなかったアケミさんに対しても、「僕の気持ちを分かってくれていないのかな?」と感じているかもしれません。
助け合って暮らしているパートナーが他人から攻撃されたら……。しかも攻撃したのが自分の実家の家族だったりしたらなおさら、すぐに助け舟を出す・フォローするのはマストだと思います。
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