筋力ダウンで「隠れ肥満」や生活習慣病リスクがアップ

加齢による筋肉の減少を「サルコペニア (加齢性筋肉減弱症 )」と呼びます。
                        
歳を取っても適度な運動をしていれば、筋肉量は減るどころか、増やすことだって可能。ですから、厳密には、筋肉の減少は加齢+運動不足で起こります。サルコペニアに陥ると、筋力不足で思うように動けなくなります。動けないと筋肉への刺激が減りますから、筋力減少に一層拍車がかかります。悪循環です。

高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病やメタボのリスクも上がります。その背景にあるのが、サルコペニアによる肥満。「隠れ肥満」と呼ばれることもあります。

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筋力不足がなぜ肥満や生活習慣病を引き起こすのでしょうか? 説明しましょう。
 

 

                    
筋肉はもともと新陳代謝が活発であり、じっとしているときでも体温を保つために代謝活動を行なっているもの。安静時でも人間が生きるために行われている代謝活動を「基礎代謝」と呼びます。それは1日に消費しているエネルギー(カロリー)のおよそ60〜70%を占めます。その基礎代謝の 20%ほどを担っているのが、筋肉による代謝活動です。
                        
ですから、筋肉が減る→基礎代謝が落ちる→1日の消費エネルギーが減るという負のドミノ倒しが起こります。すると、食べすぎていなくても、無駄な贅肉(体脂肪)が増えて太ってくるのです。そもそも太るとは、単に体重が増えることではなく、体脂肪が溜まりすぎた状態。男女ともに、30代以降、肥満の人は増える傾向があります。