工場で与えられたのは「段ボールを潰すだけ係」
接客業がダメなら、工場ならいけるのでは? とまた安易な考えで、今度は工場バイトにチャレンジ。しかし、当然「歩く不器用」な私に向いているわけがありませんでした。
そこでは、シャンプーセットを詰める箱を組み立てたり、美容クリームの蓋を閉めたりする作業を行っていました。やはりここでも、他の人ができることが、ことごとく私にはできませんでした。箱を組み立てるだけなのに、毎回上手くできず、蓋を閉めるだけの作業も遅い。でも、ベルトコンベアでどんどん商品が回ってくるので、手を止めるわけにはいきません。気がつけば後ろから手が何本も出てきて、尻拭いをしてもらう始末。リーダーに、ちょっとあんた! と何度も呼ばれ、どんどん簡単なレーンに降格させられていきました。
しかし、回された工程すべてで恐ろしいほどうまくできなかったので、最終的には、みんなが作業して出た段ボールをひたすらつぶすだけの作業をひとりでやることに。もちろん、段ボールを潰すのも下手でした。
また、単純作業をしていると、時間が経つのがありえないくらい遅く感じられ、精神的苦痛がすさまじかったのです。これは向いていない! と確信しました。
当時は関西にいたので、こういった失敗談も全部ネタにして友達に披露し、笑いに変えていました。でも、あまりにどこに行っても使いものにならず、とんでもない失敗を繰り返す中で、ある確信が芽生えるようになりました。
消去法で仕事をするも、何ひとつ「当たり前」にできない
私、社会不適合者なのでは?! もう“ポンコツ”なんて可愛い言葉で済まされるレベルでは到底ありません。誰もが当たり前にそつなくこなせることが、何ひとつできないのです。いわゆる学生が経験するアルバイトの仕事は一通り経験しましたが、何ひとつとして“まとも”にできることがありませんでした。
失敗すればするほど、その失敗が大きければ大きいほど「ネタ」としては強いですが、失敗のたびに怒られるのですから、メンタルは瀕死状態。私、このまま社会人やっていけるのか? そんなことを考え出すと、不安でどうにかなりそうでした。
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